デジタル技術を伴った現場力が改革には不可欠
他方、ネットワークの中核を成すGWCは、在庫・出荷拠点や中継・積み替え拠点としての機能に加えて、緊密な輸配送データとの連携を可能にするWMS(倉庫管理システム)を備えた統合型拠点をイメージしている。当然、最新鋭のマテハン機器による自動化・省人化も必須となる。
こうしたGWCに求められる要件を実装した拠点が、家電量販大手の上新電機が22年に本格稼働した関西茨木物流センター(大阪府茨木市)だ。MSLは同社へLLPサービスを提供し、物流改革のパートナーとして伴走を続けている。
このセンターでは、ロボティクスにより出荷能力を2倍以上に高めるとともに、関東地区の拠点との間でスワップボティコンテナ車両を活用した中継輸送を行い、在庫転送を効率化した。
また、最大の特徴といえるのがリアル店舗とECの在庫一元化による「B2B2C」モデルの確立。従来、別々に管理していた販売チャネルの在庫をシームレスに統合することで、大幅な在庫圧縮を実現した。上新電機が行うEC購入品の店舗受け取りサービスでは、店舗向けの配送便にEC購入品を混載することで、輸送効率をさらに高めている。
加えて、店舗配送業務では、MSLが共創パートナーと開発したブロックチェーン技術を使った物流管理システムを導入。1日1000枚にも及ぶ納品書のペーパーレス化を実現したほか、ドライバーの拘束時間の短縮や情報漏えいリスクも軽減した。

「絶え間なく進化・複雑化する社会に対し、物流の実業務で向き合うことが物流会社の務め。そのためには、ITやデジタル技術を伴った現場力が不可欠です」と松川取締役。
その実現のためには、100年を超える歴史の中で培ってきた三井倉庫グループの知見と、共創パートナーの力を掛け合わせたオーケストレーションが鍵を握る。
「これからも、リアルな現場力とテクノロジーを兼ね備えた『リアルテックロジスティクス』の実現を目指し、美しいハーモニーを奏でるためにタクトを振っていきます」と力を込める。
三井倉庫ロジスティクス株式会社
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