次に、消費税率10%の引き上げに向けての政策である。2015年にプライマリー赤字半減という政府目標達成は、消費税率10%を前提としている。2014年の消費税率引き上げ後には、前倒し消費の反動もあり、景気はある程度落ち込むと予想されるが、そこで、2015年10月消費税率10%という法律決定にひるむ姿を見せてはならない。反動減の経済落ち込みを埋める最小限度の補正予算編成は必要になるかもしれないが、それは10%を実行するためのものである。
消費税10%でも黒字化のメド立たず
最大の問題は、消費税率を10%に引き上げたところで、わが国のプライマリーバランス(基礎的財政収支)を2020年に黒字化するという目標には、およそ達成のめどは立たないということである。
だからこそ、異次元緩和の出口戦略の重要なポイントは、10%引き上げ後の財政政策を考慮しておくことである。そして、財政健全化は、日銀に異次元金融緩和を求めた安倍政権の責任であるという認識を政府が持つことだ。
このような認識なしには、出口は果てしないバブルとその崩壊による経済混乱、あるいは金利高騰・国債暴落による経済混乱のどちらかに終わることは目に見えている。
では、消費税10%引き上げ後の財政健全化策は何か。それは、言い古されてきた社会保障改革を中核とした歳出改革、歳入(税制)の分野でいえば、地方税改革を中核に据えた法人税改革、加えて所得税の課税ベースを拡大していくことによる地道な増収策の実施であろう。
政府の財政再建へのコミットが弱すぎるという外国投資家の見方は現在根強く存在している。その見方を転換させるためにも、消費税率引き上げのコミットメント、その後の財政運営について、経済財政諮問会議に任せるのではなく、安倍総理自身が、その決意をタイミングを見計らってきちんと示す必要がある。



