ヤンキースタジアムの記者席にはイチロー関連の資料が大量に置いてあるというし、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナルといった大手紙も特集記事を掲載した。ヤフー・スポーツ、CBSスポーツなどのインターネットメディアもカウントダウンとともにイチローの動向を熱心に伝えている。

 ということは、記録達成時には地元ニューヨークだけでなく全米でイチローの快挙が祝福される可能性もあるのだ。

 現役選手たちもイチローの偉業をリスペクトしている。たとえば、ヤンキースの同僚で現役唯一の3000本ヒッター(3308)であるデレク・ジーター。「日米のトータルでの記録を疑問視する声もあるようだけど、トップレベルで4000本を打つこと自体、とてつもなく偉大なことなんだよ。それだけ長い期間、コンスタントに活躍してきた証明だからね」とコメントし、コンディショニングを含めたプレーヤーとしての意識の高さを称賛している。

 他の選手も同様だろう。MLBという厳しい世界で戦う者同士、ヒット1本を打つ大変さを知り抜いている。それを積み重ねて4000本に到達することは途方もないことなのだ。

 それに日本での1278本を含まないイチローのメジャー13年間でのヒット数そのものが尊敬に値するのだ。現時点の2719本はMLB歴代60位。4000本到達時には、2130試合連続出場記録を持つ伝説のプレーヤー、ルー・ゲーリッグの記録(2721本)を抜くことになる。さらに151本を積み上げ、2873本までいけば、MLB史上最大のスター、ベーブ・ルースにも並ぶのだ。とにかくMLBで2700本以上ヒットを打ってきたこと自体、伝説のスターたちと肩を並べる偉業であり、それだけで尊敬に値するのである。

 もちろんアメリカの野球ファンにもへそ曲がりがいて、日米トータルの記録なんか認めないという声が出るかもしれない。が、それは少数派。大多数はイチローの4000本に注目し、達成する時を待っている。

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野球における記録とは料理におけるスパイスのようなもの

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