この事業戦略説明会の日に初めて発表されたLINEの月間利用者数(MAU)は約1億7000万人だった。世界のライバルと比べると、Facebookに買収された米「ワッツアップ」は約6億人、中国の「微信(ウィーチャット)」は約4億4000万人と、LINEがかなり出遅れていることが分かる。
一方、業績はどうか。LINEは未上場ではあるが、業績の一部は公表している。2014年7~9月期の連結売上高は230億円(前年同期比82.9%増)だった。うち、基幹事業であるLINE事業の売上高は209億円(同104.2%増)だった。損益は公表していない。
LINEの通話やチャットでの利用自体は無料。ではLINE事業は何で稼いでいるのかというと、主に課金ゲームと「スタンプ」の売り上げ、そして広告収入だ。今後は、「LINE Pay」や「LINE TAXI」のように、ユーザーの利用は無料(サービス内容によって一部有料)でも、加盟店から収入を得るタイプの事業も増える。
一方、ライバルたちはというと、たとえばワッツアップの13年の売上高は2000万ドル(120円換算で24億円)程度だったと言われている。こちらの収入は、2年目以降に課金される99セントの年会費だ。つまり、ライバルと比べると、MAUでは大きく水をあけられているものの、収益モデルの確立という点においては、LINEはリードしていると言えるだろう。そして今回、新社長の就任によって、さらに収益モデルに磨きをかけ、無料通話アプリから、さまざまなサービスを展開する会社に舵を切ると見られる。
しかし、ユーザー数が増えない限り、いくら収入につながるサービスが充実していても成長はおぼつかない。矢継ぎ早のサービス拡充は、収入の増加とともにユーザー数の増加につながるのだろうか。ここが15年以降、LINEにとって重要なポイントになる。



