全方位型サービス
「BESTシステム」

 管理組合のパートナーとして同社がマンションをトータルに管理し、建物の資産価値を高めるために提供している全方位型サービスが、「BESTシステム」だ。建物のライフサイクルコストを最小限に抑えるためのもので、同社のビル管理にも活用されている。

 具体的には、(1)建物診断、(2)長期修繕計画、(3)工事の設計・監理、(4)工事の施工、(5)省エネルギー診断、(6)総合管理企画提案、(7)WAFMシステム、(8)LEADシステムの八つのメニューの集合体だ(右囲み参照)。

「建物診断で現状を多角的に診断し、不具合箇所を把握する、いわば建物そのものの基礎データです。大規模修繕の際に過不足なく適正な工事を行うためだけでなく、日常の管理においても入居者さまのニーズや予算などを勘案しながら、それを基にした適切な管理が可能になります」(竹林課長)

 独自のWAFMシステムは、管理建物と同社の広域FMセンターを通信回線で結び、365日・24時間で管理するもので、緊急時にも迅速に対応する。

 またLEADシステムは、同社とマンション管理組合の共有サーバを設置し、建物や設備の故障履歴や水道光熱費の実績など日常的なデータや、修繕・改修工事の際のデータを集積しつつ管理していくものだ。

「LEADシステムは、当社とマンション管理組合さまが情報を共有するのが大きな目的。サーバ上のデータベースを通じて、大規模修繕工事の工程表や施工現場の写真、さらには過去の議事録や工事履歴なども自由に閲覧できます。情報を可視化することで、管理組合の運営が活性化することを期待しています」

 状況やニーズにより八つのメニューを自在に組み合わせることで、建物の劣化と価値低下を防ぐことができるわけだ。

 長く住み続けるマンションでは、大規模修繕は一大イベント。それまでのちょっとした不満がまとめて噴き出す機会でもあり、管理会社が変わることも少なくない。リプレイスに当たっては建物のライフサイクルの観点からも、できれば長く付き合っていけるパートナーを選びたい。エンジニア部門が強いところは、要注目ではないだろうか。