冬の工場稼働率が課題
なぜ、アイスメーカーがこぞって冬アイスに注力するのか。
その理由は、アイス業界が抱える、ある悩みにある。夏と冬では、工場稼働率にギャップがあり過ぎて、冬季に損益分岐点を超えられず、下半期の赤字垂れ流しが経営課題になっているのだ。
そのため、「夏の売上高を増大させるよりも、冬の赤字を解消する方が財務上は手っ取り早い」(アイス業界関係者)のである。
実際に、15年3月期のグリコの冷菓事業では、上半期は44億円の営業黒字(売上高473億円)なのに対し、下半期は営業赤字14億円(売上高265億円)。上半期の黒字を下半期の赤字が食いつぶしている状態なのだ。
しかし、メーカーのもくろみも一筋縄ではいきそうにない。市場の成長に一役買ったコンビニもアイス市場の躍進に注目。コンビニ自身が、プライベートブランド(PB)の拡充に動き始めているからだ。直近の2年でその傾向は強まり、いまや、大手コンビニのアイスの売上高の2割以上をPB商品が占めるようになった。
くしくも今シーズンは暖冬の予報。業界関係者の冬アイス商戦への期待は高まるばかりだが、売り場争奪戦の激化は必至な情勢だ。メーカーとコンビニが入り乱れての熱い冬商戦が幕を開ける。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 泉 秀一)



