だが、最後の最後、ゴールを決めようとする場面では民族性が表れる。ヨーロッパ勢はパスワークで、南米勢は個人技で相手の守りを切り崩そうとするし、アフリカ勢は身体能力で、アジア勢はスピードを生かそうとする。民族性、国民性が微妙に異なる各国が対戦し、それぞれ個性を生かしながら真剣勝負を見せる。その面白さが多くの人々を魅了するのだ。
プレーからは選手のメンタルもうかがえる。このメンタルにも国民性が表れる。勢いに乗ると手がつけられないが、歯車が合わなくなるとボロボロになる国がある。調子が悪くても試合途中でしっかり立て直す国もある。ひとつのミスを引きずるタイプもあれば、引きずらないタイプの国もある。
これまでの日本代表の戦いぶりを見ると、こうしたメンタル面がサッカーに対応しきれていなかった。国民性がサッカー向きではなく、選手もそこから脱していない。とくに決定力に欠けると言われ続けている攻撃陣にそれが表れる。
ミスを恐れるゆえの
日本選手の決定力不足
Jリーグがスタートした当初、ゴールを量産して人気者になった選手に鹿島のアルシンドがいる。彼から「FWを目指す子どもたちへのアドバイス」というテーマで話を聞いたことがある。
この答えが「ミスを恐れないでプレーすること」。子ども向けのアドバイスだが、その要旨を紹介する。
「サッカーにはミスが許されないポジションがある。GKでありDF。MFもミスは少ない方がいい。でも、FWはミスを繰り返すポジションなんだ。ゴールの枠は幅7.32m、高さ2.44m(大人用の内側)。FWはDF陣の激しいマークを受けながら、その限られた枠にボールを入れなければならない。対するDFはゴールを割らせなければいいわけで、枠以外ならどこへクリアしてもいい。その点でFWの方が絶対的に不利だ。それでもゴールをこじ開けるには、DFの予想を超えた動きやプレーをするしかない。予想を超えたプレーなんてうまくいく確率は低いからミスは当たり前。ミスを怖れず、そんなプレーを繰り返すことでゴールは生まれるんだ」
たとえば1試合でシュートチャンスが10回あるとする。アルシンドもすべて決めるつもりでプレーするが、大抵はミスで終わるから、その時は、次を待とうと切りかえる。「10回チャンスがあれば、1本でも決まればOK」という考えなのだ。だから、「FWはミスを怖れずプレーしろ」というわけである。



