賛否が市場に与える影響
ブレグジットの可能性は日本にとっても他人事ではない。特に、投資家にとっては大問題だ。ブレグジットが可決する場合、と否決される場合の影響は、可決の場合、「円高」と「株価下落」、否決の場合はその逆だろうというのが大方の予想だ。
ブレグジット可決の場合、英国は経済へのダメージの予想と共に、将来の不確実性が増すことにもなるので、英国から資金が流出することと、英国に流入する資金が減ることの両方が予想される。この場合の資金の行き先として、相対的に安全とされる日本円が選好される可能性が大きく、かなりの円高圧力が掛かる公算が大きい。
円高は、それ自体が直接的なデフレ要因でもあるし、日本企業の収益悪化や日本の製品や労働者の国際的な競争力の劣化につながるので、日本企業の株価下落につながることがほぼ不可避と思われる。
加えて、可決の場合、英国の株価は大幅に下落することが見込まれる。すると、世界に分散投資している機関投資家のポートフォリオの価値が損なわれるため、彼らのリスク許容度が下がって、日本株も売られる可能性がある。
もう一つ、ブレグジットが可決した場合、英国及びEUと経済的なつながりが大きな中国の経済的ダメージが、中国株の下落を呼び、これを通じて円高と日本株の下落がもたらされる影響チャネルにもリアリティがある。
以上のようなまだるっこしい理屈はさておき、ブレグジット可決は為替市場で「大きな円高要因」、株式市場では「大きな株価下落要因」として理解されている。
6月24日(金)の日本の株式取引時間中にも国民投票の大勢が判明しそうであり、可決・否決いずれの形勢に傾くとしても、為替レート、株価共に、大きく動く可能性がある。
なお、さらに話が煩雑になるので恐縮だが、投票の形勢が為替レートと株価に表れる「程度」は、新しい情報が入る直前にどのような予想の下に為替レートと株価が形成されていたかに大きな影響を受ける。現状で言うなら、離脱反対派がやや優勢との観測に信憑性を感じている人が多いように見受けられるので、ブレグジット否決の場合の円安と株価上昇の率よりも、ブレグジット可決の場合の円高と株価下落の率の方が大きくなるように思われる。まさに、リーマンショック級の衝撃になる可能性もゼロではない。



