写真:東京証券取引所Photo:PIXTA

日経平均株価が33年ぶりの高値水準を付けた。この「戻り高値」には意外感を持った人が多かったのではないか。そこで、今回の株価上昇の要因を分析するとともに、投資家が学ぶべき「教訓」について考えたい。(経済評論家 山崎 元)

日経平均株価が33年ぶり高水準
意外な戻り高値

 11月20日の日中、いわゆる「ザラ場」の東京証券取引所の取引で、日経平均株価が33年ぶりの高水準まで上昇した。7月3日に付けた終値での戻り高値(バブル崩壊後高値)を一時上回る、3万3853円を付けた。33年間にわたってすっきりと「史上最高値」と言えないのは、わが国がかつて経験したバブルの威力と、その後の異例の経済停滞による泣き所だが、高値の一種には違いない。

 もちろん人によって感じ方は違うだろうが、今回の高値には意外感を持つ向きが多いのではないか。

 つい少し前、10月の終わりの4取引日にあっては、日経平均の終値はいずれも3万1000円を割っていて、3万円を維持できないのではないかと心配になるような状況だった。

 それが、3週間のうちにざっと1割上昇して「戻り高値」なのである。この間、米連邦準備制度理事会(FRB)が今後にも利上げの可能性があると意外にタカ派的な示唆をしたり、逆に米国のインフレ関連のデータが落ち着きを見せたりといった、いつもあるようなニュースはあった。ところが、日本の株価に影響を与えるような大きなニュースがあったわけではない。