写真:新NISAのイメージPhoto:PIXTA

来年からいよいよ期待の新制度である「新NISA」が始まる。そこで、新NISAを活用する上で「やってはいけないこと」と「すべきこと」について、最後の総点検をしたい。(経済評論家 山崎 元)

ついに始まる「新NISA」は
期待が集まる大型の新制度

 来年初から、「新NISA」が始まる。新NISA(少額投資非課税制度)は、後から岸田文雄政権を振り返ったときに、多分最大で、おそらくは唯一の善政と評価されるであろう期待の新制度であり、投資の優遇制度だ。恒久化されていていつでも投資を始められるし、税制優遇の対象期間は無期限だ。また、生涯投資枠が1人当たり1800万円ある。多くの国民にとって、十分な利用上の自由度と金額的規模を持っている。

 気分的に慌てる必要はないのだが、後述のように、理屈上は早く始める方がいい。読者の準備は十分だろうか?

 本稿では、新NISAを利用する上でのポイントを最終点検的に検討したい。「何をするか」もさることながら、「何をしないか(避けるか)」にも重点を置いて確認してほしい。

 新NISAについては、既におびただしい数のガイドブック的書籍や、雑誌の特集号が出ている。制度や手続きなどについて詳細を知りたい向きは、これらの中から信頼できるものを選んで利用するといい。本稿は、主に運用部分に的を絞って、ポイントを解説するものだ。

 参考書としては、雑誌なら『週刊ダイヤモンド』(11月4日号)の「まだ間に合う どう変わる? 新NISA徹底活用 知らないと損する!」特集号が断然いい。バックナンバーを手に入れて手元に置いておく価値がある。