市場混乱ゆえのチャンスを探る

 敢えて、もう少し積極的にチャンスを探すとすると、どのような手があるか。

 一つには、仮にブレグジットが可決された場合、市場は相当な混乱に陥る可能性がある。ブレグジットの影響が大きな株式も、そうでない株式も一斉に売られるかもしれない。

 この場合に、実際に受ける影響以上に売り込まれた後者の株式を安値で買うことができれば、それは有利な取引だと言えよう。

 実際に株価の変化が起きてからそれを評価して行動を決めなければならないのが原則論だが、例えば、次のようなことが起こらないか。

 ブレグジットが可決したとしよう。多くの投資家が、経済の先行きを悲観してグローバルに分散投資するファンドを大量に解約したとする。ファンドマネジャーは解約に対応するために、ファンドが保有する世界各国の株式を選り好みせずに一斉に売らなければならない。この場合に、割安な株価なので、通常の事態ならむしろ買い増ししたい国の株式も売る、といったことが起こるかもしれない。

 こういった状況が起きた時に、例えば市場の取引が薄くて株価が大きく動きやすい新興国の株価などは、「下げ過ぎ」の状態に陥る可能性がないだろうか。

 筆者は、ここ2、3年、米国の金融政策が緩和から引き締めに向かう課程で、米国株よりも新興国の株価の方が大きな悪影響を受けるのではないかと思っていた。これは、現実に、大筋でそのような事態が起こった(当たったことを自慢しているのではない。2回に1回くらいは当たるのだから…)。そして、利上げが本格化する今年あたりは、新興国株式の「底値」を探すチャンスではないかと、年初来、今年の狙い所として期待していた。

 筆者は、個人的に、ブレグジットが可決した場合には、新興国株式が売られ過ぎになる事態が起こる事を楽しみにしている。市場にコメントする商売柄、自分のお金で投資する訳ではないが、自分の読者に対して、新興国株式に投資するETFに投資することを勧めるのだ。気分的には、正直なところ、少しワクワクしていると言ってもいい。

 もちろん、日本に住む一生活者としては、ブレグジットが可決せず、円高も株安も起こらずに、日本経済がデフレ脱却に向かうことを期待しているし、たぶん一証券マンとして、さらにはマネー運用本の著者としての自分の生活のためにも、ブレグジットが否決される方がありがたいのだろう。

 さて、どうなるだろうか?

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