自民党の主要5派閥が「政治とカネ」問題で告発され、さらには「裏金疑惑」まで浮上して政界に激震が走っている。この騒動は、支持率が超低空飛行を続ける岸田政権の致命傷となるだろう。(経済評論家 山崎 元)
動いた東京地検特捜部
財務省の意向も働いた?
内閣支持率が、複数の調査で危険水域とされる30%割れの数字を記録し、しかも不支持の比率が高い岸田文雄内閣にあって、新たなスキャンダルが表面化した。政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に適切に記載していなかったとして、岸田派(宏池会)を含めた自民党の主要5派閥が告発されたのだ。
さらに、自民党の最大派閥である安倍派(清和政策研究会)では、ノルマを超えて政治資金パーティー券を販売した収入の一部を議員に環流させて、これが政治資金として収支報告書に記載されていない「裏金」となったのではないかという疑惑が持ち上がっている。この問題に、東京地検特捜部が捜査に乗り出したようだ。
この疑惑は二階派(志帥会)でも浮上し、安倍派と共に裏金となった金額は1億円を超えるのではないかと報じられている。