デジタルマーケティングにおける次なる課題とは

大山 本荘さんにぜひ聞きたかったのは、どうすれば今後日本企業がデジタルマーケティングをもっと経営目標の達成に活用できるかです。

本荘 米国とはさまざまな面で異なるカルチャーを持っていますからね。私が大切だと思っているのは、デジタルマーケティングを担う部門やヒトが、特殊な存在ではなくなることです。今後は、いかに部門を横断してつながっていくかが問われる時代。コアな経営リソースとマーケティング部隊とが結び付くパスが必要ですし、時にはわれわれのような「第三者」をうまく利用して、ブリッジしていくべきだと思います。

大山 それは、デジタルマーケティングに限った話ではなく、今後の企業経営にとって必要ということですよね?

本荘 そのとおりです。米国で数値によるマーケティングが先行していたのは、人種の違いなどもあって「数値という共通言語がないとマネジメントがまとまっていかない」面があった。逆に日本は、働く側も顧客サイドも「よく似た価値観」の持ち主だったからこそ、勘に頼った営業戦術も成立した。でも、今の日本は価値観もメディアもバラバラというか多様ですよね。経営においては「横串を刺していく」アプローチが不可欠な時代になってきています。

大山 しかも、昨今の経済環境のなかでは、国内市場だけでなく、グローバルな経営が求められているわけですから、よりいっそう、横断型の組織が必要ですね。

本荘 そうです。その実現のためにも、デジタルマーケティングは重要な経営課題として語られなければいけない。

大山 もっともっと活用してもらえるよう、私たちもチャレンジしなければいけないと思います。 

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