借り換えで住宅ローン減税をフル活用する3カ条!
金利1%未満で借り換えれば、「錬金術」を使える

2017年3月1日公開(2019年3月20日更新)
ザイ・オンライン編集部

住宅ローンを借り換える際は、「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」を賢くフル活用して、減税メリットをなるべく多く獲得したいところだ。そこで、住宅ローン控除のメリットを最大限、手に入れるための「借り換えの3つのポイント」を紹介しよう。条件が揃えば、マイナス金利下ならではの、住宅ローン控除による“錬金術”を使える可能性もある。

住宅ローン控除を受けるには、初年度に確定申告する必要がある

 住宅ローンを借りている人にとって、「住宅ローン控除(正式には住宅借入金等特別控除)」はメリットの大きい制度だ。住宅ローン控除は、10年間にわたって、年末の住宅ローン残高の1%が所得税額から還付される制度で、すでに恩恵を受けている人が大半だ。例えば、年末の住宅ローンの残高が5000万円だとすれば、5000万円×1%=50万円の所得税が還付される。現在の制度は控除額の上限が年間50万円で、10年間有効なので、最大で累計500万円の税額控除を得られるという、非常に魅力的な制度といえる。初年度には必ず確定申告する必要があるが、2年目以降は会社員なら年末調整で対応可能だ。

借り換え後の返済期間を10年以上にしないと
住宅ローン控除が受けられなくなるので注意

 ファイナンシャルプランナーの山根裕子氏によれば、「借り換えをしても、住宅ローン控除のメリットをフルに受けられるようにすること」が重要なポイントだという。

 「借り換えで、住宅ローン控除をフル活用するための3カ条」は以下の通りだ。

(1)借り換え後の返済期間を10年以上にする
(2)繰上返済は、毎年1月
(3)金利1%未満なら、住宅ローン控除終了まで繰上返済しない

 まず、(1)については、「借り換え時に、期間を極端に短縮しないように気をつけてください。どんなに短くするにしても10年以上の返済期間を残しておかないと、減税を受けられません」と山根氏はアドバイスをする。

 例えば、最初の借り入れから5年目に借り換えて、借り換え後の返済期間を8年間に設定したとすると、借り換え後は住宅ローン控除を受けられなくなってしまう。借り換えた時点で住宅ローンの返済期間が10年未満になって要件を満たさなくなり、借り換えた5年目についても、減税は受けられなくなるのだ。本来なら、減税を受けるチャンスはまだ6年残っており、非常にもったいないので、10年以上の返済期間をとるようにしよう。

 また、(2)に関して、繰上返済を行うには毎年1月がベストだ。住宅ローンの総支払額を抑えるためには、繰上返済は非常に有効な手段で、なるべく早いタイミングでこまめに繰上返済したほうがいい。ただし、そのタイミングが重要だ。住宅ローン控除額が確定するのは毎年12月末。繰上返済をするなら、その直後の1月に行えば、控除額を大きくできる。

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借り換えた金利が1%を割り込んでいるのなら、
住宅ローン控除が使える期間は、繰上返済しないほうが有利!

(3)は、マイナス金利時代ならではの新しい対応策だ。

 通常、お金に余裕があれば、すぐに繰上返済するのがおすすめなのは前述したとおり。繰上返済をして元本が減少すれば、将来支払うべき金利も減少するので、総支払額を大きく減らせるからだ。

 ただし、変動金利や10年固定金利の住宅ローンであれば金利が1%を割り込んでいるのも珍しくない今、借り換えた住宅ローン金利が1%を割り込んでいるなら、住宅ローン控除が使える10年間は「あえて繰上返済をしない」ほうが得をすることになる。

 なぜなら、住宅ローン控除では借入残高の1%の所得税が還付されるのに対して、支払う金利は1%未満で、「戻ってくる所得税>支払っている金利」となっており、実質的にマイナス金利状態(金利を払うのではなく、金利をもらえる状態)になる。マイナス金利状態では、繰上返済せずに借入残高を多く残しておいたほうがたくさんの金利をもらえるので、「借入残高が多ければ多いほど儲かる」のだ!

 これが実現できれば、住宅ローン控除の期間中は、言わば「打ち出の小づち」状態となるので、この条件にあてはまる場合は繰上返済をせずに、住宅ローン控除のメリットを最大限享受しよう!

 最終的には、10年目の12月までは繰上返済はせず、11年目の1月に繰上返済するのがおすすめだ。「余裕があればすぐに繰上返済」という今までの常識とは逆の対応になるので、気をつけたいところだ。ただし、住宅ローン残高が、住宅ローン控除の対象になる金額を上回っている場合は、住宅ローン控除をフル活用できないので、やはり繰上返済を優先すべきだろう。

100万円以上の増築やリフォームについても
住宅ローン控除の対象となるので忘れずに!

 ちなみに「住宅ローン控除」mの最大控除額は、住み始めた時期によって違うので、詳細は、表を参考にしてほしい。

◆住宅ローン控除の入居時期別の控除額(2009年以降)
住み始めた時期 最大控除額
通常の住宅 長期優良住宅、 低炭素住宅
2009年 〜 2010年 500万円
50万円×10年(控除率1%)
(09年6月4日以降)
600万円

60万円×10年(控除率1%)
2011年  400万円
40万円×10年(控除率1%)
2012年  300万円
30万円×10年(控除率1%)
 400万円
40万円×10年(控除率1%)
2013年1月 〜 2014年3月  200万円
20万円×10年(控除率1%)
 300万円
30万円×10年(控除率1%)
2014年4月 〜 2019年6月  400万円
40万円×10年(控除率1%)
 500万円
50万円×10年(控除率1%)

 さらに、控除となるには、条件があるので、簡単におさらいしておこう。

 住宅ローン控除の対象は、新築住宅、中古住宅だけでなく、増改築・リフォームも含まれる。あまり知られていないが、増改築・リフォームは、100万円以上の増築や一定規模以上の修繕・模様替え、省エネ・バリアフリー改修などが住宅ローン減税の対象となる。

 また、「控除を受ける年の所得が3000万円以下」という所得の条件もある。年収がアップして、借り換え時に所得が3000万円を超えていると、利用できない。一方で、所得が少なくて、所得税よりも控除額の方が大きい場合は、住民税からも一部控除される仕組みになっている。

 マイナス金利の今こそ、借り換えで低金利のメリットを受けるだけでなく、住宅ローン減税も上手に活用して、払った税金を取り戻そう。

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