二大政党では対応できず
混迷の象徴が「トランプ大統領」

 それが顕著に表れたのが、トランプ大統領を誕生させた2016年の大統領選だった。

 当時の主要な大統領候補(トランプ、ヒラリー・クリントン、バーニー・サンダース)を、4元構造の図式の中に配置したのが、図2である(理解のために、あえて単純化している)。

 まず、トランプ氏の立場は「右」であるが、同時に、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉からの離脱やNAFTA(北米自由貿易協定)の見直し、移民管理の厳格化など「反グローバル化」の主張を鮮明にした。

 このトランプ氏の「反グローバル化/右」を支持したのは、保守的な価値観をもちながらグローバル化によって不利益を被る人々(例えば、白人男性の労働者)だった。

 トランプ氏の「反グローバル化」主張は、「右」の共和党の中でも異端であり、主流派が受け入れるところではなかった。共和党主流派の立場は「親グローバル化」だったのである。

 これに対して、クリントン候補は、親グローバル化のリベラルだった。それは民主党の主流派を代表するものだった。

 そのクリントン氏と民主党内で争ったのは、「民主社会主義」を標榜する急進左派のサンダース候補である。サンダース氏とその支持者たちは、社会的弱者や労働者を疎外するグローバル化には批判的だった。それゆえ、彼らは「反グローバル化/左」に位置づけられる。