トランプ大統領が誕生したのは、工場の閉鎖や海外移転でさびれた「フローズンベルト」と呼ばれる中西部の、職を失ったり賃金が下がったりした白人労働者らの支持があったからだというのはよく知られたことだ。

 こうした白人中流層らの根強い支持は、昨年秋の中間選挙でも同じだった。

 こうした地域と対極にあるのが、IT企業が集まるカリフォルニアのシリコンバレーだろう。

 また聞きなので、どこまで正確かわからないが、今、シリコンバレーに立地する企業に勤める社員の平均賃金は約1300万円だと、知人の米国人研究者は話していた。

 先日、放映されたNHKのフェイスブック社の特集番組のなかでも同社の社員の平均賃金は2300万円と説明していた。

 シリコンバレーは、不動産価格や賃料も高騰し、それはかつての日本のバブル期をはるかにしのぐ状態で、大学生の中にはアパートも借りられず、ホームレスになる学生もいると聞く。

 ワシントンDC本拠のシンクタンク「Institute for Policy Studies(IPS)」が先日、発表したレポートによれば、米国のお金持ち上位400人である「フォーブス400」にランク入りするための最低資産額は上昇が続いている。

 1982年の最低資産額は1億ドルだった。今年の最低資産額は過去最高の20億ドル(約2260億円)に達している。

「この状況が続けば、過去数十年続いている一部の人々に富が集中する流れは、さらに強まっていく」とレポートの共同執筆者のJosh Hoxieは述べている。

 IPSの報告によるとフォーブス400に登場する富豪らの合計資産額は、米国の下位64%の人々の合計資産額を上回っている。下位64%の人々の人口は“メキシコやカナダの人口の合計よりも多い”という。(出典;2017/11/10フォーブスジャパン)

政治的プロパガンダで
移民や中国を「敵」に

 米国における経済格差の推移を見る最も簡単な指標は、ジニ係数である(図表1)。

 米国はジニ係数が上昇し続けており、しかもOECD諸国と比べても水準は高く、国内での経済格差が拡大し続けていることがわかる。