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東西両陣営が友好国との連携強化
同一陣営内の貿易は2倍に拡大
コロナ禍による供給網の混乱やその後のロシアによるウクライナ侵攻、トランプ米政権による関税引き上げなどを背景に、経済安全保障の確保が重視され、自国だけで調達できない財については、友好国との連携を強化する「フレンドショアリング」政策も推進されている。
こうした政策動向を反映して、さまざまな財の供給網再編が進み、とりわけ、原油や天然ガスなどの化石燃料はその貿易構造が大きく変化、供給網が東西で分断されつつある。
原油市場では、西側諸国(米国や欧州など)と東側諸国(中国やロシア、イランなど)との間で貿易取引が減少し、英エネルギー研究所のデータを基に試算したところでは、東西間の取引が世界全体に占めるシェアは足元で3%弱と、2016年に比べて4分の1に縮小した(図表1参照)。
一方で西側諸国同士や東側諸国同士で行われる原油貿易のシェアは2倍弱に拡大した。こうした「東西ブロック化」は、天然ガス市場でも進んでいる。16年から24年にかけて、同一陣営内における天然ガス貿易の世界シェアは増加したものの、東西間の貿易は大幅に減少した。
東西ブロック化が進んだ背景には、米国の対イラン政策と欧州の対ロシア政策の2点がある。これらの政策を起点に、西側諸国が東側諸国からのエネルギー調達を避ける動きが加速し、同じ陣営内で原油・天然ガスを融通し合う傾向が強まった。
だが石油・天然ガスの需要に対して供給能力が小さい西側諸国の方が東側諸国よりもブロック化による悪影響を受けやすい可能性がある。エネルギーの海外依存度が大きい日本は新たな課題を抱える。







