総予測2026Photo by Takayuki Miyai

ハウスメーカー、ゼネコン、デベロッパーという三つの顔を持つ「三刀流経営」で異彩を放つ大和ハウス工業。2055年の売上高10兆円達成という大きな目標に向けて、26年はどのような戦略を繰り出すのか次の買収ターゲットはどこなのか。特集『総予測2026』の本稿で、芳井敬一会長が語った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 宮井貴之)

26年の米国での戸建て販売
金利が4~5%まで下がれば市況好転

――2025年4月に大和ハウス工業は経営体制を変更しました。芳井敬一社長が会長になり、事業本部を二つに再編。25年を振り返って、手応えは感じましたか。

 これまでの7事業体制から、流通や物流などを手掛ける「ビジネス・ソリューション本部」と、戸建て住宅やマンションなどを手掛ける「ハウジング・ソリューション本部」に再編しました。2大事業本部体制がうまく機能し始めており、非常に手応えを感じています。横のつながりが今まで以上に強固になり、課題が自分の事業本部だけに捉われずに見えるようになりました。

 ハウジング・ソリューションでいえば、マンション用に仕入れた用地を戸建て住宅にするチャンスがないか検討したり、戸建て住宅で仕入れた土地を中高層マンションにできないか協議したりして、顧客に最良な提案ができるようになりました。

――海外事業に関して、米国では旺盛な戸建て需要を背景に日本のハウスメーカー各社が投資を進めています。住宅ローン金利の高止まりが課題となる中、26年以降の米国市場の見通しは?

 受注戸数だけで見れば、25年9月末の段階で対前年比約14%伸びました。数字だけ見れば26年も期待できます。地域別では、米国東部のスタンレー・マーチン社は非常に伸びています。西部のトゥルーマーク社もスタンレー・マーチン社に比べれば伸び率は低いですが、着実に成長している。ただ、南部にある子会社のキャッスルロック社は苦戦を強いられています。

 南部エリアの顧客は、戸建て住宅を初めて買うような若年層が多いので、金利に左右されます。東海岸や西海岸は所得の高い顧客が多いので、収益に安定感があります。南部エリアの落ち込みを残りがカバーしているような状況です。

 26年に金利が下がるフェーズになっても、今度は逆にどこまで下がるか様子見姿勢が続く可能性があります。住宅ローン金利が7%前後から4~5%程度まで下がれば、市況が好転すると分析しています。

――競合の積水ハウスは24年に米M.D.Cを約7000億円で買収しました。大和ハウスも大手ビルダーを買収して事業を拡大する計画はありますか。

大和ハウスは27年3月期から新たな中期経営計画がスタートする。次期中計で狙いを定める海外市場はどこなのか。25年10月に発表した住友電設のTOB(株式公開買い付け)の狙いは何なのか。次なる買収のターゲットはどこなのか。次ページで、芳井会長が語る。