2025年、アメリカのトランプ第2次政権の誕生によって、グローバル化と自由主義経済を謳歌する時代の終焉はより明確となった。地政学的にいっそう混迷を深める世界において、企業はグローバルサプライチェーンの危機にさらされ続け、経営のグローバルスタンダードは幻影となりつつある。そんな環境の中で、日本企業は乱世を生き抜くための「シン日本流経営」が求められる──ダイヤモンドクォータリーはこうしたテーマを掲げ、2025年2月17日、都内で「ダイヤモンドクォータリー創刊8周年記念フォーラム」を開催した(主催:ダイヤモンド社 メディア局、協賛:Ridgelinez、ヤプリ、Wolters Kluwer CCH Tagetik)。本稿では、「企業版『経済安全保障』の論点」と題し、この分野の第一人者である東京大学公共政策大学院教授で国際文化会館 地経学研究所長を務める鈴木一人氏の基調講演の採録をお届けする。
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