VUCAが巷間に流布して久しいが、国内では出生数が70万人を切り、海外ではトランプ関税に加え、地政学リスクが高まるなど、不確実性がいっそう深まっている。こうした状況は企業の人事戦略にも大きなインパクトをもたらし、黒字ながらも人員整理に着手したり、新卒採用数を見直したりする動きがある。これは、人事部門が、「人事制度の管理者」から「人材戦略の司令塔」への役割転換を迫られていることに通じるだろう。その役割転換について、人的資源管理論を専門とし、政府の各種審議会委員なども歴任してきた守島基博教授(学習院大学経済学部教授/一橋大学名誉教授)へのインタビューを通して考えてみる。

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