日本は1980年代にはジャパン・アズ・ナンバーワンと評されて我が世の春を迎えたが、その後に訪れたバブル崩壊により凋落を始め、平成から令和へと長きにわたる低迷の歴史を歩むことになる。「失われた30年」は、私たち日本人の自信を奪っていくのに十分な時間だった。だが、いつまでも自虐的なムードに浸っている暇はない。次の100年に向けて日本企業はどうアップデートすべきなのか──。弊誌はその答えを、日本経営史研究の第一人者に求めた。大阪大学名誉教授の宮本又郎氏、国際大学学長の橘川武郎氏の2人である。転換点となった出来事を絡めながら、長い時間軸の中で日本企業の成功と失敗の本質を解説いただいた。両者の見解に共通するのは、「慢心」が一番の敵だということである。奇しくも半世紀ぶりに万博が再び大阪で開催されている昭和100年という節目に、「賢者は歴史に学ぶ」契機とすべく、20ページ超の特別企画としてお届けする。
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日本企業はどうアップデートすべきか【前編】
特別企画 賢者は歴史に学ぶ