今回は新井白石の貿易政策を紹介します。イギリス、オランダ、フランス、ポルトガルといった重商主義国が東インド(東アジア)へ進出し、交易を競っていた16世紀、そして東インド会社が登場した17世紀、徳川幕藩体制の鎖国下、日本は清とオランダ2カ国との貿易を認めていましたが、長崎の扉から出ていった金銀銅は膨大なものでした。一方、幕府の財政は年々逼迫し、5代将軍綱吉政権下で財政危機に陥っていました。貨幣改鋳で金銀の含有率を半減して出目(差額益)を歳入に入れた勘定奉行荻原重秀の政策を否定した白石は、一方で海外へ流出した金銀の総量を推計し、初めて経常収支の赤字額を算定、これを抑制する政策を導入します。白石は財政収支と経常収支、“双子の赤字”に着目した初めての“エコノミスト”といえるでしょう。
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