2025年9月2日、握手する中国の習近平国家主席(右)とロシアのプーチン大統領 写真:中国通信/時事通信フォト
最前線で働くビジネスパーソンが押さえておきたい、時代の変化とその背景を理解する上で欠かせない注目書籍を作家で元外交官の佐藤優さんが厳選する。ビジネスパーソンは「地政学的リスク」にどう対峙すればいいのか?「推し」の宗教的側面とは?文化大革命という巨大な破壊活動の上に現在の経済大国が形成された中国の弱みとは?『日本人のための地政学原論』『「推し」という病』『未完の中国文化大革命』の3冊から「ここだけは読んでほしい重要な箇所」を抜粋して紹介する。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優)
ビジネスにおいて
地政学的リスクにどう対峙するか
地政学に関しては、たくさんの本が出ているが、橋爪大三郎著『日本人のための地政学原論』は、最新の動向を盛り込んだ優れた入門書である。特に企業経営者に対する以下の助言が重要だ。
橋爪大三郎著『日本人のための地政学原論』ビジネス社、2026年1月刊行
〈企業の全員が地政学に詳しくなる必要はない。企業のなかの誰かが、それなりに詳しければよい。経営トップは、地政学的リスクに詳しい人間を、日頃からしっかり育てて社内に確保しておく。(社外にアウトソース(丸投げ)するのは、危機管理として生ぬるい。)そして、個別の案件(ある国にこれこれの拠点を設ける、など)について、突っ込んだレポートを書いてもらう。そのあと経営トップと膝を突き合わせて、地政学的リスクを緻密に分析・評価し、社内で共有するという順番だ。
地政学的リスクは、数量化できない。それをどれぐらいに見積もるのが正しいのか、確立した方法論もない。それだけに経営トップは、地政学的リスクを経営判断にどの程度どのように盛り込むのか、自分なりの原則(哲学)を持たなければならない〉(234~235ページ)







