スタディサプリ合格特訓コースを学習塾と比較

 スタディサプリ合格特訓コースは、担当コーチによるコーチングや科目サポーターによる質問対応が受けられるのが魅力のサービスです。一方で、学習塾ではその役割を講師やチューターが担っており、その場でいろいろな質問や相談ができるのがメリットです。

 では、スタディサプリ合格特訓コースと学習塾を比較すると、授業・サポート体制・費用などにどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、大手予備校の東進と河合塾を例に、比較をしてみます。

東進との比較

東進ハイスクール
出典:東進

 東進は、テレビCMでもお馴染みの実力派講師による映像授業が受講できるのが魅力の予備校です。「独立自尊の社会・世界に貢献する人財」の育成を掲げる株式会社ナガセが運営しており、直営の東進ハイスクールと、フランチャイズの東進衛星予備校(全国約1,000校)があります。御茶ノ水、渋谷、新宿、大阪、名古屋を中心に対面授業が行われていますが、ほとんどの校舎では映像授業のみが受講できるようになっています。

 受けられるサービスや費用をスタディサプリと比較すると次の表の通りになっています。

  東進ハイスクール・東進衛星予備校
入学金 33,000円(税込)
サポート費 担任指導費(年度ごとに発生)
東進ハイスクール:77,000円(税込)
東進衛星予備校:66,000円(税込)
模試費 東進模試の受験料(定額制)
受験生:29,700円(税込)
授業料 単科1講座
90分×20回ほか:77,000円(税込)
90分×10回:38,500円(税込)
90分×  5回:19,250円(税込)
志望校通期ユニット
5講座:352,000円(税込)
6講座:422,400円(税込)
7講座:487,300円(税込)
8講座:551,100円(税込)
9講座:612,700円(税込) など

高校3年生の

モデルケース

*入会金や季節講習費も含む

国立大学対策:年間1,049,400円(税込)

*志望校通期ユニットで9講座を受講

私立大学対策:年間762,300円(税込)

*志望校通期ユニットで6講座を受講

※参照: 東進ハイスクールホームページ
※参照: 東進衛星予備校市川八幡校ホームページ

 担任指導費は、担任や担任助手との定期的な面談、学習計画の作成、コーチングなどのサポートを受けるための費用です。面談は大きく2種類あり、月1回の担任(社員または大学生)との面談と、週に1度の担任助手(主に大学生)とのチームミーティングが行われています。これまで東進で学んできたのべ100万人以上のデータを基に、志望校合格のサポートをしてもらえます。

 また、チームミーティングでは、担任助手の指導のもと、5〜6人の生徒でチームを組み、励まし合いながら切磋琢磨する環境が整っています。「ひとりより仲間がいたほうが頑張れる」という生徒に向いているサポート体制です。

 学習計画は、「合格設計図作成システム」と呼ばれており、志望校合格から逆算して、短期・中期・長期的な学習計画を立ててもらえます。週単位でどの講座を何コマ受講するのか具体的な学習スケジュールがわかるので、見通しをもって学習しやすくなっています。

 コーチングでは、登校時や在校時にコーチングタイムが実施され、合格設計図を基に1日の学習内容をアドバイスしてもらえます。学習計画通り進められていない場合は、その場ですぐに計画を修正してもらえます。コーチングタイムは、学習量を確保したり、モチベーションを高めたりするのに役立つサポート体制だといえます。

 なお、フランチャイズの東進衛星予備校では、校舎によって担任指導の仕組みが異なっていることがあるので、事前に確認しておきましょう。

 東進では、29,700円(税込)の模試費を支払い、定額で必要な模試がすべて受けられるシステムになっています。偏差値や合否判定が出るのはもちろん、第1志望校に合格した生徒の同時期の平均点(推定値)がわかったり、「合格指導解説授業」という映像授業による復習ができたりするのが特徴的。マーク模試、記述模試、大学別模試など、豊富な種類の模試があります。どれを受ければいいかわからなくても、担任や担任助手に相談して、計画的に模試の受験ができます。

 授業では、映像授業を視聴した後に、習ったことを身につけるための「パーフェクトマスター」という仕組みがあります。確認テスト(授業後のオンラインテスト)や講座修了判定テスト(講座を全範囲受講した後のテスト)を受けることで、学習の定着度を判定。合格しなければ次の授業に進めないようになっているため、「わかったつもり」を防ぐことができます。

河合塾との比較

 河合塾は、豊富なコースとレベル別対策が魅力の大手予備校です。受験生向けには、高校生向けの「高校グリーンコース」と高卒生向けの「大学受験科」があります。直営の河合塾では、「高校グリーンコース」が全国49校舎、「大学受験科」が全国30校舎あります。また、映像授業を提供するフランチャイズの河合塾マナビスは、全国に300以上の校舎を構えています。

 受けられるサービスや費用をスタディサプリと比較すると次の表の通りになっています。

  河合塾・河合塾マナビス
入学金 河合塾:33,000円(税込)
河合塾マナビス:0円
(河合塾マナビスは事務手数料6,600円(税込)が必要)
サポート費 塾生サポート料
毎月6,600円(税込)
模試費 なし
(サポート料に含まれる)
授業料 河合塾の費用の例
150分×24回:170,400円(税込)
  90分×24回:139,200円(税込)
  60分×15回:  37,000円(税込)
河合塾マナビスの費用の例
90分×24回:91,680円(税込)
60分×15回:38,250円(税込)
※河合塾マナビスは、
45分×1回:1,910円(税込)
60分×1回:2,550円(税込)
90分×1回:3,820円(税込)
の金額に、講座の講数を乗じた料金になる。

高校3年生の

モデルケース

*入会金や季節講習費も含む

国立大学対策:年間981,000円(税込)

*90分×24回を5講座を受講

私立大学対策:年間702,600円(税込)

*90分×24回を3講座を受講

※参照: 河合塾ホームページ
※参照: 河合塾マナビスホームページ

 塾生サポート料には、テスト費用・在籍データ管理料・施設利用料・システム利用料が含まれています。テスト費用は、全統模試などの模試を受験するための費用で、入塾の申し込み時期によって異なりますが、高3生だと最大で11回の模試が受験できます。

 学習サポートにおいては、「1to1合格戦略カリキュラム」という学習プランを立ててもらうことができます。学力状況をチューターと分析し、志望校合格に向けて最適な受講プランを提案してもらえます。

「360°学習サポート」という充実したサポート体制が整っているのも河合塾のメリットです。講師に学習に関する質問をしたり、チューターに受験に関する相談に乗ってもらったりすることができます。講師への質問は、予約制ですが、自宅からでもWEBで無料で質問できるため、自学自習の助けになります。また、「Studyplus for School」という学習管理アプリでつけている学習の記録を基にチューターが学習のアドバイスをくれたり、チャット機能を使って気軽に相談したりすることもできます。

 河合塾の講座は、大きく分けて「レベル講座」と「セレクト講座」があります。

「レベル講座」は、学力や志望校に合わせて総合的に学習することができる講座で、対面授業を実施している校舎なら対面授業と映像授業が選べます。対面授業を実施していない校舎と河合塾マナビスは、映像授業のみ受講できます。年度途中から入会する場合、対面授業は残りの講座回数により授業料が変動しますが、映像授業は全講座受講することができるので料金の変動はありません。

 また、「セレクト講座」は、分野・テーマ別強化、共通テスト対策、大学別対策、小論文など、ピンポイントで学習できる講座です。セレクト講座は一括払いにのみ対応している講座です。

 授業で使うテキストは、河合塾の完全オリジナルテキストで、予習・授業・復習に取り組みやすい作りになっています。最新の入試を分析したテキストで、テーマやレベルに合わせて適切な問題数が収録されています。河合塾のテキストを一通り学習することで基礎学力や実戦力が身につくように作られています。