定員充足率と4年生の人数から合格者数を予測
2027年度のMARCH入試で合格者数が増えるかどうかを考えるうえで、判断材料となるのが「収容定員充足率」と卒業予定の4年生の人数です。
収容定員充足率とは、大学や学部が定める1~4年生の収容定員に対して、実際にどのくらいの学生が在籍しているかを示す割合です。解説によると、MARCHでは収容定員充足率が110%以上になると国からの補助金に影響するため、この水準を超えないように入学者数を調整しています。
また、4年生が多ければ、卒業によって在籍者数に余裕が生まれ、翌年度に新入生を多く受け入れやすくなる可能性が出てきます。反対に4年生が少なければ、新たに受け入れられる人数も限られます。
そこで、各学部の定員充足率と1年生と4年生の人数差を比較していきます。定員充足率が低く、1年生より4年生が多い学部ほど、2027年度入試で合格者数を増やせる余地があると考えられます。
明治大学は複数の学部で合格者数が増える可能性
明治大学では、経営学部や商学部を中心に、複数の学部で前年より合格者数が増える可能性があります。全体的に定員充足率はそれほど高くなく、1年生より4年生が多い学部が目立つためです。
理工学部は1年生が1070人、4年生が1231人で、定員充足率は105.1%です。農学部も1年生584人に対して4年生が642人で、定員充足率は103.7%となっています。文学部や法学部でも4年生のほうが多く、定員充足率には一定の余裕があります。一方、政治経済学部の合格者数は、前年と大きく変わらないと予測されています。
特に注目されるのが経営学部です。1年生と比べて4年生がかなり多く、卒業後は新入生を受け入れる余地が広がると考えられます。商学部も4年生が約200人多く、情報コミュニケーション学部も人数の割合から見ると、合格者数を増やせる状態です。
一方、総合数理学部は1年生より4年生が少なく、収容定員充足率も明治大学の他学部と比べてやや高くなっています。明治大学全体では合格者数がやや増える可能性があるものの、総合数理学部は他学部より厳しくなることも考えられます。
青山学院大学では教育人間科学部に増加の余地
青山学院大学は、全体的に収容定員充足率が高い状態です。4年生が多い学部でも、全体の収容定員充足率を下げるために合格者数を抑える可能性があり、卒業者数だけでは判断できません。
例えば経済学部は、1年生576人に対して4年生が668人ですが、収容定員充足率は115%です。理工学部も4年生のほうが多いものの、収容定員充足率が高く、合格者数を増やせる余裕は大きくないと考えられています。
国際政治経済学部の収容定員充足率は113.1%、社会情報学部は112.7%です。社会情報学部は1年生と4年生の人数差も小さく、合格者数を絞る可能性があります。経営学部と総合文化政策学部は、大幅な増加となる可能性は低く、前年並みになるとの見方です。
こうしたなか、合格者数の増加が推測されているのは、教育人間科学部です。4年生が比較的多く、定員充足率も他学部ほど高くありません。青山学院大学では、教育人間科学部に合格者数を増やせる余地があると考えられています。
立教大学は幅広い学部で合格者数増加の余地
立教大学は、MARCHのなかでも幅広い学部で合格者数が増える可能性のある大学です。収容定員充足率が全体的に低く、多くの学部で1年生より4年生が多くなっています。
理学部は1年生276人に対して4年生が364人で、定員充足率は101.9%です。コミュニティ福祉学部も4年生のほうが多く、定員充足率は104.2%となっています。文学部では4年生が1年生より約200人多く、社会学部、法学部、経済学部、観光学部、経営学部でも100人前後、またはそれ以上の差があります。現代心理学部でも、4年生が約80人多い状態です。
天童先生の解説では、新学部設置に向けて収容定員充足率を低く抑えていた可能性があるとしています。新学部設置のためには収容定員充足率をより抑えないといけないからです。立教は2026年に環境学部を設置しました。今後、新たな学部や学科の設置がなければ、2027年度は受け入れ人数を増やす余地があるという見方です。
ただし、立教大学は付属校や提携校からの入学者を増やしているため、受け入れ人数の増加分が一般選抜に割り当てられるとは限りません。また、異文化コミュニケーション学部は1年生より4年生が少なく、他学部とは傾向が異なります。一般選抜でどの程度増えるかは不明ですが、在籍者数と定員充足率から見ると、立教大学が2027年度の有力候補です。
中央大学は商学部を除いて前年並みの見通し
中央大学では、商学部の合格者数が増える可能性がある一方、大学全体では前年並みとなる見通しです。収容定員充足率は全体的に低めですが、スポーツ情報学部と情報農学部の新設が予定されており、大学全体で定員を調整する可能性があります。
法学部の定員充足率は102.5%ですが、1年生と4年生の人数差はそれほど大きくなく、合格者数は前年並みと予測されています。経済学部も大幅に絞る可能性は低いものの、合格者数が大きく増える状況ではありません。
一方、商学部は4年生が多く、前年より合格者数を増やす可能性があります。文学部は1年生と4年生の人数がほぼ変わらず、総合政策学部と国際情報学部も大きな変化はないと見られています。
また、2026年度には理工学部が募集停止となり、基幹理工学部、社会理工学部、先進理工学部が新設されています。中央大学は定員充足率に余裕があるものの、新学部を含めた人数調整が続くため、大幅な合格者数増加は予測しにくい状況です。
法政大学は法学部、情報科学部、理工学部に増加の可能性
法政大学は、法学部、情報科学部、理工学部に合格者数を増やせる余地があります。ただし、大学全体では収容定員充足率が青山学院大学ほどではないものの高く、上限に近い学部も多いため、4年生が多くても大幅な増加は難しいと予測されています。
法学部は他学年と比べて4年生がかなり多く、前年より合格者数を増やす余地があると見られています。情報科学部は1年生130人に対して4年生が202人で、収容定員充足率は108%です。理工学部も4年生のほうが多く、定員充足率は110%を下回っています。
一方、文学部は4年生が多いものの、定員充足率が上限に近く、合格者数は前年並みか、やや減少する可能性があります。経済学部と社会学部も4年生が多いものの、大幅な増加は期待しにくく、前年並みが目安というのが天童先生の予想です。経営学部、人間環境学部、国際文化学部、現代福祉学部については、大学が定員充足率をどの程度下げようとするかによって結果が変わります。
生命科学部は4年生が多い一方で収容定員充足率も高く、グローバル教養学部は4年生が少ないうえに定員充足率が111%と高いです。スポーツ健康学部も112%で、合格者数を増やすのは難しいと予測されています。法政大学は学部による差が大きく、4年生の人数と収容定員充足率をあわせて確認する必要があります。
2027年度は立教大学と明治大学の動向に注目
2027年度のMARCH入試では、収容定員充足率が低く、4年生の人数が多い立教大学で合格者数の増加が期待されます。明治大学も複数の学部で4年生が多く、前年より合格者数がやや増え、入試倍率が下がる可能性があります。
中央大学は商学部を除いて前年並み、青山学院大学と法政大学は高い定員充足率から、全体的に厳しい入試が予測されるとのことです。ただし、受け入れ人数が増えても、その増加分が一般選抜に割り当てられるとは限りません。選抜方式ごとの募集状況も確認しましょう。
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