コノ塾とは？

　コノ塾は、2020年に開校してから事業を拡大し、2024年3月時点で1都2府県に55校（東京都51校・神奈川県3校・大阪府1校）を構える個別指導塾です。公立中学へ進学または通学する生徒向けの「公立高校受験」を目標とする塾であり、中学受験や最難関私立中学受験を目指す生徒には対応していないので注意が必要です。

　コノ塾は、いわゆる「自立型（自習型）」の個別指導塾であることが最大の特徴です。授業では、タブレットでオリジナルの映像授業を視聴して、テキストで問題演習をするというスタイル。「自立型（自習型）」という特性上、講師1名につき生徒が複数名いて、少人数で学習を進めるイメージです。わからない問題があれば1対1で講師に質問することもできますが、自分のペースで学習を進めるスタイルのため、ある程度の自走力は必要になるでしょう。

　また、個別指導塾ではありますが、授業のコマ数が決まっているのもコノ塾の特徴で、小学生なら月12〜16コマ、中学生なら月24〜36コマを受講することになります。また、「苦手な数学だけ受講する」ことはできず、小学生では算数・国語・英語の3教科、中学生では5教科をバランスよく学習するのも特徴です。

　ただし、決められたコマ数の中で苦手科目を多く受講するなど、一人ひとりに合わせたカリキュラムに調整することは可能です。カリキュラムは、個々の生徒に合わせてアプリが最適化してくれます。1コマは授業50分+休憩10分と比較的短時間なので、メリハリのある学習がしやすくなっています。

　コノ塾では、家庭学習の習慣化にも力を入れており、その日の授業に応じた宿題が出されます。授業のはじめにテストが行われるので、「わかったつもり」を防ぐのに役立ちます。また、家庭学習が習慣化するように、教室長が週に1〜2回程度生徒と1対1の面談を行い、「カルテ」と呼ばれる学習計画を作成しているのも特徴です。一人ひとりに責任を持って指導するために、定員制になっている点にも注意が必要でしょう。

コノ塾で年間にかかる費用は？

　コノ塾では授業料の他に、入会金・維持管理費・教材費・季節講習費等の費用がかかります。

　授業のコマ数は学年によって異なりますが、通常は週3コマ（月12コマ）〜週8コマ（月32コマ）程度取ることが想定されています。また、季節講習も1コマ1,100円の授業料がかかり、こちらも16コマ〜64コマを取ることが想定されています。このことを踏まえた上で年間にかかる費用を試算すると、次の通りになります。

※参照: コノ塾HP
※2024年3月時点の料金で試算。表は税込料金、以下同。

コノ塾の料金一覧

　コノ塾の授業料は学年に関係なく一律に設定されていて、1コマ（50分）1,100円（税込）となっています。季節講習も同一料金で授業を受けられます。その他、入会金・維持管理費も一律で決められていますが、教材費は学年によって異なります。

コノ塾の小学生の料金

　コノ塾の小学生講座は、公立中学校に進学し、都立高校を目指す生徒向けのコースです。都立高校合格に必要な勉強時間の確保や、学習習慣の確立を目的としているコースのため、中学受験には対応していません。

　小学生講座は算数・国語・英語の3教科に対応しており、公立中学で必要な基礎学力の習得を目指します。学習習慣の確立も目的としているため、月12コマ（月額13,200円）からの受講が必要です。「小学5・6年生コース」にかかる費用は、次の通りです。

※参照: コノ塾HP　
※表は税込料金　2024年3月時点。季節講習は受講必須で、講習の教材費は別途発生。以下同。

コノ塾の中学生の料金

　コノ塾の中学生講座は、高校受験に向けて基礎学力を向上させるコースです。学校の授業をきちんと理解できるように、通常授業は予習型の授業になっています。

　また、定期テスト2週間前になると、定期テスト対策の授業が行われます。この予習型の授業と定期テスト対策により、内申点の向上を目指します。さらに、季節講習では復習と予習の両方を行い、学習内容の定着と新学期の先取り学習を行います。

　中1・中2は1カ月で24コマ、中3は24コマ〜32コマ（時期により異なる）の受講が必要です。対応教科は5科目で、それぞれの科目をどの程度学習するかは、個人の学習状況や目標によって柔軟に対応します。「中学1・2年生コース」と「中学3年生コース」の料金は、次の通りです。

※参照: コノ塾HP

※参照: コノ塾HP

コノ塾の季節講習料金一覧

　コノ塾の季節講習にかかる料金は、授業料（1コマ50分・1,100円）と教材費（料金は学年・科目によって異なる）のみです。入会金と維持管理費はかかりません。

他の学習塾との料金比較

　コノ塾の授業料は、1コマ（50分）が1,100円（税込）と低価格に設定されています。では、他の塾と比較してどの程度安いのでしょうか。「明光義塾」「スクールIE」「ナビ個別指導学院」の3者と比較して紹介します。

明光義塾との比較

　明光義塾は個別指導塾のパイオニアで、最大手塾の1つであり、2022年8月時点で1,775教室を全国に展開しています。対象は小1から高卒生までと幅広く、学校の補習はもちろん、中学受験から大学受験まで対応しています。

　授業では問題演習と解説の他に、ノート指導や振り返りの記録などもしているのが特徴です。ノートの使い方を工夫することで理解力や思考力の向上を図り、振り返りをすることで学力の定着を図っています。

　カリキュラムは完全オーダーメイド。入塾時と2カ月ごとのカウンセリングをもとに、生徒の課題や通塾の目的等に応じて、効率的に成績アップができるようにカリキュラムが作成されます。指導形態は、講師1名に対して生徒が3名まで。授業は対話型で、言語化しながら進めることで学習内容の定着を促しています。

　明光義塾の授業料は、学年と通塾回数によって料金が決まるシステムです。授業は基本的に月4回で、1回あたりの授業時間は90分（小1〜小4は45分授業もある）です。

　なお、明光義塾には直営の教室とフランチャイズの教室があり、授業料やシステムが異なることがあるので注意してください。正確な料金を知りたい場合は、近くの教室に資料請求をしてください。

　明光義塾では、授業料以外に次の費用がかかります。

※表は税込料金　2023年3月時点、明光義塾あべの美章園教室の料金。以下同。

　明光義塾の授業料（月額）は、以下の通りです。

　コノ塾と明光義塾の料金（月額）の一例を比較すると、以下のようになります。

　コノ塾と明光義塾（50分換算）の1コマあたりの料金を比較すると、小学生で2,000円〜3,000円、中学生で4,000円〜5,000円程度、明光義塾のほうが高くなっていることがわかります。料金以外の違いは、次の通りです。

　授業料はコノ塾のほうが安くなっていますが、明光義塾とは授業スタイルや受講できるコースに大きな違いがあります。中学受験をしたい生徒、英検対策で英語4技能を伸ばしたい生徒、講師に教えてもらいながら学習をしたい生徒は、明光義塾のほうが向いています。授業料だけでなく、通塾の目的に応じた塾選びが求められます。

スクールIEとの比較

　スクールIEは「やる気スイッチグループ」が運営する個別指導塾で、全国に1,100以上の教室を展開しています。スクールIEの特徴は、入塾前に「個性診断テスト（生徒の性格・個性・学習習慣・生活習慣を分析）」と「学力診断テスト（苦手やつまずきを診断）」を受けることです。

　これらの診断テストの結果や面談の内容をもとに、完全オーダーメイドのカリキュラムが編成され、生徒一人ひとりに応じた個別指導が受けられます。また、学習内容・問題量・難易度が最適化されたオーダーメイドテキスト「夢SEED」が作成されるのも特徴です。

　通常は予習型の授業で、定期テスト2週間前から定期テスト対策が始まります。学校ごとの出題傾向を踏まえて対策できるのも、スクールIEのメリットです。

　スクールIEでは1対2と1対1の授業形式があり、料金は学年と授業形式によって異なります。また、授業料以外にも次の費用がかかります。

※表は税込料金　2023年11月時点、スクールIE帝塚山校の料金。以下同。

　授業料は次の通りです。

　コノ塾とスクールIEの授業料（月額）を比較すると、以下のようになります。

　コノ塾とスクールIE（50分換算）の1コマあたりの授業料を比較すると、スクールIEのほうが2倍以上高くなっていることがわかります。また、スクールIEでは、授業料の他にテスト費や夢SEED費などの費用がかかる点にも注意が必要です。

　料金以外の違いは、次の通りです。

　授業料はコノ塾のほうが安くなっていますが、スクールIEは中学受験から大学受験に対応していて、完全担任制であるという特徴があります。通塾の目的に応じて塾を選ぶことが大切です。

ナビ個別指導学院との比較

　ナビ個別指導学院は、北海道と沖縄を除いて全国に700以上の教室を展開する個別指導塾です。生徒のモチベーションを上げるために、「ほめる」ことに重点を置いた授業を行っていて、学習意欲の向上や苦手意識の払拭が期待できます。通常授業は講師1名に生徒2名（コースによって1対3）で、学校の教科書に準拠したオリジナルテキストを使って予習型の授業をしているのが特徴です。

　ナビ個別指導学院では、生徒一人ひとりに応じた学習プランを作成しているのもメリットです。通常授業はもちろん、定期テスト対策でも一人ひとりのレベルに合わせて対策プランを作成してもらえます。また、成績保証制度があるのも安心なポイントです。入塾後3回以内の定期テストで＋20点、または80点以上の目標が達成できなければ、その後1学期間は授業料が無料になります（※適用条件等については、教室にて要確認）。

　ナビ個別指導学院では、学年と週あたりの受講回数によって授業料が決まる仕組みです。また、授業料の他にも次の費用がかかります。

※2023年2月時点、ナビ個別指導学院（都内）の料金。
※表は税込料金、以下同。

※参照: ナビ個別指導学院公式サイト　2024年3月時点
※料金・1コマの時間は教室・コース・学年によって異なることがある。

　コノ塾とナビ個別指導学院の授業料（月額）を比較すると、以下のようになります。

　コノ塾とナビ個別指導学院（50分換算）の授業料を比較すると、小5〜中2で3,000円程度、中3で6,000円程度、ナビ個別指導学院のほうが高くなっていることがわかります。コノ塾もナビ個別指導学院も、予習型の授業を行っていることは共通しています。また、テスト前2週間から定期テスト対策を実施しているところも共通点です。

　一方で、コノ塾とナビ個別指導学院には次のような違いもあります。

　授業料はコノ塾のほうが安価ですが、ナビ個別指導学院には成績保証制度があったり、1対2の指導が受けられたりするメリットもあります。特に授業スタイルはまったく異なりますので、生徒に自走力があるかどうかなどを判断基準にして塾選びをしてください。

コノ塾のおすすめポイント

　コノ塾の授業料を3者と比較しましたが、どの塾よりも低いことがわかりました。しかし授業料が低いと、心配になるのが授業や進路指導などの質ではないでしょうか。そこで、コノ塾のおすすめポイントを3つ紹介します。

高い倍率の採用試験を合格した教室長が伴走

　教室長には、採用率10倍以上の選考を勝ち抜いた「伴走のプロ」のみが採用されています。教室長は進路指導から受験対策、内申対策までを総合的に行い、生徒一人ひとりをしっかりとサポート・フォローしてくれます。生徒と定期的に1対1の面談をしているのも特徴で、生徒の状況を把握し、家庭学習や受講する教科、学習ペースなどに関してアドバイスしてもらえます。

学習履歴を蓄積し、苦手な分野を見える化

　コノ塾では、授業や宿題で間違えた問題や宿題の定着率を把握し、学習履歴を蓄積することで生徒の苦手を分析しています。また、家庭学習向けに独自に開発された学習管理ツールを使い、学習履歴を可視化できるようにしています。学習履歴を見える化し、教室長がそれをもとに面談を行うことで課題を明確にし、家庭学習の習慣化を図っています。

明朗会計で講習料金などの追加費用はなし

　良くも悪くもコノ塾では授業のコマ数が決まっており、追加の授業が取れないようになっています。これは学習時間を確保するとともに、教室のキャパシティを超えないようにするため。講習料金などもあらかじめ決まっているため、追加で料金が発生することはないようです。明朗会計で、安心して通塾することができます。

コノ塾の無料体験授業・キャンペーン

　コノ塾では、無料の体験授業や季節講習のキャンペーンを開催しています。

・無料体験

　電話または専用フォームで体験授業を申し込むことで、無料の体験授業を受けることができます。

・春期講習パック

　小5〜中3の生徒（はじめての方限定）を対象としたキャンペーンで、8コマの授業が5,500円（税込）で受けられます。

コノ塾の料金情報まとめ

　コノ塾は「自立型（自習型）」の個別指導塾で、他の塾と比較しても非常に低価格の授業料になっています。コノ塾のオリジナルの映像授業や家庭学習サポートは魅力的ですが、中学受験生や最難関私立高校を目指す生徒、つきっきりで指導を受けたい生徒には不向きの塾である点には注意が必要です。コノ塾は無料の体験授業を実施しているので、実際に授業を受けたり、説明を聞いたりして、納得した上で塾を選ぶようにしましょう。