高校生の大学受験にかかる塾・予備校の一般的な費用(相場)
塾・予備校の料金設定の仕方には大きく2種類あり、定額制で様々な講座を受講できるパターンと、講座ごとに受講費がかかるパターンがあります。
例えば、代々木ゼミナールの「フリーセレクトプラン60」では、年間60万円の授業料を支払うことで、通常講座・季節講座・月謝制講座・目的別講座などの各講座が受講し放題になります。基礎講座から応用講座まで幅広く受講したい、国公立志望で受験科目はすべて受講したいなどの場合には、パック料金や定額料金が設定されている塾・予備校を選ぶのが賢明です。
一方で、東進ハイスクール・東進衛星予備校の映像授業などは、講座を受講するごとに料金がかかる仕組みになっています。苦手科目だけを強化したい、私立大学志望で試験科目が少ないなどの生徒には、単科受講ができる塾・予備校の方が費用を抑えて受講しやすいと言えます。
次に、塾・予備校にかかる一般的な費用について解説します。一般的な費用の参考になるのは、文部科学省が公表している「令和3年度子供の学習費調査」です。この調査によると、学習塾にかけた費用(年間1円以上支出した者の平均額)は下の表の通りになっています。
学年 |
公立高等学校 (全日制) |
私立高等学校 (全日制) |
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高校1年生 | 約26万3千円 | 約31万4千円 |
高校2年生 | 約35万1千円 | 約47万8千円 |
高校3年生 | 約45万円 | 約53万4千円 |
これが大学受験にかかる費用のひとつの目安になります。この費用を基準として、それぞれタイプ別の費用を見ていきたいと思います。
なお、予備校最大手の東進ハイスクール・東進衛星予備校では無料の1日体験をすることができます。気になっている方はぜひ東進公式サイトを確認してみましょう。
予備校最大手の「東進ハイスクール・東進衛星予備校」とは | |
特徴① | 日本全国のどの校舎でも有名一流講師の映像授業が受けられる |
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特徴② | 講座修了判定テストや担任制度など、手厚い学習サポート体制 |
特徴③ | 過去10年分の過去問を演習できる講座や共通テストの対策講座が人気 |
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高校生の塾・予備校のタイプ別の費用
ここでは、高校生が通う塾・予備校を「個別指導塾」「集団指導塾」「映像授業塾」の3つに大別して、いくつかの塾・予備校の費用を比較してみます。ただ、どの塾・予備校も複数のコースを用意していることが多いため、以下で紹介する料金はあくまでもその塾・予備校の一例と考えてください。また、受講する教室や時期によって料金が異なる場合がありますので注意してください。
料金以外の塾や予備校の選び方を知りたい方は「大学受験の塾や予備校の選び方」も同時に参考にしてみてください。
集団指導塾の費用
【東進ハイスクール・東進衛星予備校】
東進ハイスクールは、人気講師の集客力により、駿台予備学校・河合塾に並んで3大予備校とも言われるようになった予備校です。直営の「東進ハイスクール」の他に、フランチャイズで全国に「東進衛星予備校」を展開しており、全国どこにいても人気講師の講義を受けられることがメリットです。講座のレベルが細分化されているので、自分の志望校に合った映像授業を受けることができます。また、講座修了判定テストが付いているため、理解度を確認するのにも役立ちます。
対象 | 高校3年生・高卒生 |
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コース | - |
授業料 | 通期講座(単科)受講料:19,250円(90分×5回) 通期講座(単科)受講料:38,500円(90分×10回) 通期講座(単科)受講料:77,000円(90分×20回) 志望校通期ユニット5:352,000円 志望校通期ユニット6:422,400円 志望校通期ユニット7:487,300円 ※「志望校通期ユニット」とは、通期講座と高速基礎マスター講座のセット (ユニット5なら、通期講座4講座+高速基礎マスター) |
講習費用 | 19,250円(90分×5回) |
その他費用 | 入学金、担任指導費、模試費 |
1年間でかかる 授業料の概算 |
「志望校通期ユニット5」を受講した場合の一例
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参照: 東進ハイスクール
参照: 東進衛星予備校|市川八幡校
東進ハイスクール・東進衛星予備校では、希望の校舎での無料1日体験を実施中です。興味がある方は、この機会に東進公式サイトから申し込んでみましょう。
【早稲田アカデミー】
早稲田アカデミーは、中学受験や高校受験に強い集団指導塾ですが、大学受験でも高い合格実績があります。学力別・志望校別クラスを採用しており、学期ごとに行われる試験の結果でクラスが変動する仕組みになっています。日曜日には高校3年生を対象とした「必勝志望校別コース(東大、最難関大医学部、早慶大、難関大に特化したコース)」が開講されているのも特徴です。
塾生には「サクセスダイアリー」という冊子が配布され、学習時間をチェックしたり、確認テストの結果を記入したりすることで、学習状況が可視化できるようになっています。この「サクセスダイアリー」は講師が毎週チェックし、コーチングの材料として活用されています。
対象 | 高校3年生 |
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コース | - |
授業料 | 1講座:14,520円 / 月(1コマ120分) 2講座:27,280円 / 月(1コマ120分) 3講座:38,280円 / 月(1コマ120分) 4講座:48,070円 / 月(1コマ120分) 5講座:57,420円 / 月(1コマ120分) 6講座:66,220円 / 月(1コマ120分) 7講座:74,470円 / 月(1コマ120分) |
講習費用 | 授業料とは別に料金が設定されています |
その他費用 | 年会費、教材費、必修テスト代 |
1年間でかかる 授業料の概算 |
5講座を受講した場合の一例
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参照: 早稲田アカデミー
【臨海セミナー】
臨海セミナーは、神奈川県を中心に南関東と大阪に教室を展開する学習塾です。高校生向けには「高1コース」「高2コース」「高3コース」「東大受験(高卒生も受講可)」が用意されています。それぞれのコースの中で、「国公立大合格プロジェクト」「早慶上智合格プロジェクト」「MARCH合格プロジェクト」などの志望校別対策を実施していたり、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜に合わせた入試指導を実施していたりと、幅広い対策をしているという特徴があります。
対象 | 高校3年生 |
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コース | 高3コース |
授業料 | 1講座:9,900円 2講座パック:19,250円 3講座パック:28,050円 4講座パック:36,300円 5講座パック:44,000円 |
講習費用 | 授業料とは別に料金が設定されています |
その他費用 | 入塾金、維持費、教材費、模擬試験代、登録手数料 |
1年間でかかる 授業料の概算 |
3講座パックを受講した場合の一例
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参照: 臨海セミナー
個別指導塾の費用
【個太郎塾】
個太郎塾は、市進学院グループが運営する個別指導塾です。小学生から高卒生までの指導に対応しており、高校生向けには「志望大学合格コース」「教科書徹底理解コース」の2コースが用意されており、受験対策用としても補習用としても活用できます。
ただ、高校1年生と高校2年生は教科書対策が中心になっており、基礎理解や評定平均の向上を目的とした指導に重点が置かれているという特徴があります。担当のチューターがカウンセリングやコーチングをしてくれるところも個太郎塾のメリットです。
対象 | 高校3年生 |
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コース | 1対2つきっきり個別指導 |
授業料 | 週1回(月4回):20,130円 / 月(1コマ80分) 週2回(月8回):39,820円 / 月(1コマ80分) 週3回(月12回):57,860円 / 月(1コマ80分) ※1対1限定個別指導の場合、1授業あたり3,300円が加算される ※週4回以上は更に割引が適用される |
講習費用 | 追加授業:4,928円 / 1コマ80分 |
その他費用 | 入会金、総合指導費 |
1年間でかかる 授業料の概算 |
1対2つきっきり個別指導を受講した場合の一例
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参照: 個太郎塾
【明光義塾】
明光義塾は、教室数・生徒数でNo.1の個別指導塾です。「学び発見!振り返りシート」という明光義塾独自のノートを活用して、理解の定着や深化を図っているのが特徴です。
それぞれ生徒に合わせた個別のカリキュラムを設定しているため、一般選抜・学校推薦型選抜・総合型選抜のどの入試形態にも対応しています。また、映像授業「MEIKO MUSE」を活用した志望校に合わせたコースや、内申点アップを目指した定期テスト対策なども行っており、志望校合格に向けた指導を受けることができます。
対象 | 高校3年生・既卒生 |
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コース | 個別指導 |
授業料 |
週1回(月4回):17,600円 / 月(1コマ90分) MEIKO MUSE(高校生用映像授業) |
講習費用 | 追加授業:4,400円 / 1コマ90分 定期テスト対策授業料17,600円 / 5回分 |
その他費用 | 入会金、教室維持費、教材費 |
1年間でかかる 授業料の概算 |
個別指導・定期テスト対策・MEIKO MUSEを受講した場合の一例
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参照: 明光義塾(株式会社レーベル)
映像授業塾の費用
【スタディサプリ】
スタディサプリは、「スタサプ」という略称でも親しまれている映像授業に特化したインターネット配信型の塾(予備校)です。小学生から社会人まで、幅広い領域・分野の授業が用意されており、有名講師が簡潔に授業を解説してくれることで人気を博しています。
また、オンライン型の塾のため、いつでもどこでも映像授業を受けることができるのもメリットです。自学自習型の「ベーシックコース」と担当コーチから学習プランなどのアドバイスをもらえる「合格特訓コース」が用意されていて、どちらも定額で全教科・全科目の映像授業を受講することができます。
対象 | 高校3年生・高卒生 |
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コース | 合格特訓コース |
授業料 | 10,780円 / 月額 |
講習費用 | なし |
その他費用 | テキスト冊子などのオプション費用 |
1年間でかかる 授業料の概算 |
約13万円 内訳: ①合格特訓コースを12ヶ月利用 10,780円×12ヶ月=129,360円 ※別途、その他費用が必要 |
参照: スタディサプリ
スタディサプリは初回14日間は無料で体験することができます。お試し期間後の継続も任意ですので、利用を検討している方はこの機会に申し込んでみてはいかがでしょうか。
スタディサプリのような映像授業に関しては、上手く使いこなすことで受験の結果に結び付くと思います。ただ、映像授業を見終わった後の工程をどうするのかを考えて、効果的に活用する必要があります。
例えば、「復習はどうするのか」「確認テストはどうするのか」「授業でわからなかったことは誰に聞けばいいのか」など、高校生でそこまで見通すのは難しいかもしれません。そのため、スタディサプリのような映像授業だけで成績が上がるのは、上位層の生徒だけになってしまう可能性があります。動画を見るだけで成績が上がるとは考えず、コーチングサービスなどと上手く組み合わせるなどの工夫をするように気を付けましょう。
私が見ている生徒では、「自分がわからないところをポイントで視聴する」というように、スタディサプリなどの映像授業を補習用として活用している生徒が多い印象です。ただ、どのような使い方が有効かは個人によるところが大きいので、塾の講師や学校の先生などと相談しながら、自分に合った活用方法を模索してみましょう。