高校受験に向けた塾の選び方
高校受験に向けた塾の選び方には、いくつかのポイントがあります。塾のホームページや資料、体験入塾などを活用して、自分の目的に合った塾を見つけるようにすることが大切です。
塾の合格実績が自分の志望校と合致するか
特に最難関校の合格を目指す場合、塾の合格実績はとても参考になります。多くの合格実績があるということは、合格に必要なノウハウや環境が揃っていることが多いからです。合格実績のある塾には優秀な生徒も集まりやすいので、切磋琢磨しながら学習する方がモチベーションが高まる生徒にはおすすめです。
ただし、合格者数も大切ですが、合格率(合格者数を受験者数で割った割合)も気にしてみてください。受験者数が多いと合格実績が多くなりやすいですが、受験者数が少なくても合格率で計算してみると高い合格実績を出している塾もあります。入塾前の説明を聞くタイミングで、自分が志望している学校の合格率を確認してみるとよいでしょう。
塾の費用が予算内かどうか
集団塾と個別指導塾では、個別指導の方が料金が高額に設定されています。集団塾と個別指導塾の詳細については後述しますが、予算が限られている場合は、まずは集団塾を検討してみて、どうしても子どもに合わない場合は個別指導塾を検討するのがおすすめです。
また、受講科目が多くなればその分だけ費用がかかります。例えば、ホームページで確認した授業料は安価でも、管理費、教材費、夏期講習などの受講費、模試代などを含めると想定より高額になることもあります。入塾前に、年間でどれくらいの費用がかかるのかを確認しておきましょう。
また、志望校が固まっている場合、3教科だけ受講すれば受験対策になることもあります。志望校が3教科受験なのか、5教科受験なのかも事前に確認しておきましょう。
塾の雰囲気や指導方針が子どもと合っているのか
塾の雰囲気の違いは、塾全体の雰囲気の違い、校舎による雰囲気の違い、講師による雰囲気の違いなど、様々な要素が絡んでいます。競争心を煽るタイプの塾もあれば、褒めて伸ばすタイプの塾もあります。
また、少人数で講師との距離が近い校舎もありますし、大規模の分チューターを配置して相談しやすい体制を整えていることもあります。さらに、熱血で指導する講師もいれば、淡々と指導する講師もいるため、体験入塾で通う校舎や講師との相性を確認しておくようにしましょう。
また、子どもの志望校や学力に合ったコースを選ばないと、思うように学力が伸びていかないことも考えられます。その学力層に向けたコースがあるのか、どのようなカリキュラムを組んでいるのかなど、指導方針も確認しておきましょう。
さらに、定期テスト対策を行っているか、自習室に講師やチューターが常駐しているか、授業後に講師に質問ができるなどのサポート体制が整っているかなど、入塾後のイメージを想定して子どもと合っているかどうかを判断することが大切です。くれぐれも「友達が通っているから」という安易な理由で選ばないようにすることが大切です。
高校受験では集団塾と個別指導塾はどちらが良い?
学習塾を選択するときに、集団塾にするか個別指導塾にするかは、塾に通う目的によって使い分けることになります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、「何のために塾に通うのか」という視点をもって選択することが大切です。
集団塾のメリットやデメリット
集団塾のメリットは、志望校合格に向けたカリキュラムや教材が整っていることです。それぞれの学習塾では、これまでの指導経験から志望校合格に最適だと考えられるカリキュラムを組んでおり、そのカリキュラムに合わせた教材を用いています。そのため、体系的に学習することができますし、受験に必要な学習範囲を網羅することができます。
また、ある程度規模が大きい集団塾では、同程度の学力層の生徒でクラスを編成するため、同じような志望校の仲間と競い合いながら学習できるのもメリットです。子どものモチベーション維持に、友達の存在が欠かせないこともありますので、子どもの性格によっては大きなメリットになるでしょう。さらに、個別指導塾に比べて費用が安いことも集団塾のメリットです。
他の生徒と競い合いながら成長できるタイプの子どもには向いている一方で、クラス分けテストの結果次第でやる気をなくしてしまうタイプの子どもには向いていません。また、カリキュラムが整っている反面、そのカリキュラムについていけない生徒は、個別指導と併用するなど、別途の対策が必要になります。
個別指導塾のメリットやデメリット
個別指導塾は、生徒の学習状況に応じたカリキュラムで学習できるのが大きなメリットです。入塾テストや実力診断テストなどをもとにしたカウンセリングを行い、どの学年から遡って学習するのがよいのか、また志望校合格に向けてどれくらいのペースで学習するのがよいのかなど、一人ひとりに合わせたカリキュラムで学習をすることができます。主に講師1名に対して生徒が1人から3人で授業をする形態のため、生徒の理解度に応じた指導をしてもらいやすく、生徒から講師に質問もしやすいのがメリットです。
また、希望に合わせて授業の曜日や時間、受講する科目を決められるため、部活動や習い事との調整が可能な点もメリットです。講師との相性が合わなければ、講師変更が可能な塾もありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。集団塾に通いながら、苦手科目は個別指導塾と併用するなど、生徒の状況に合わせて受講しやすくなっています。
さらに、個別指導塾は地域の学校事情に通じているところが多く、定期テスト対策にも有効なことがあります。定期テストで高得点を取ることは、基礎学力の定着だけでなく内申点対策にもなるため、一般入試でも推薦入試でも有利になります。
塾によっては、その中学校の生徒が定期テストの校内順位が何位か、塾生が定期テストで何点取っているか、通塾前と比較して何点アップしたかの情報を開示してくれますので、その実績を参考にして個別指導塾を選ぶのもよいでしょう。先述の通り、定期テストの過去問対策が有効な場合もありますので、入塾時に定期テスト対策がどの程度充実しているかを確認するようにしてください。
デメリットとしては、学習のペースがマイペースになる可能性があることです。生徒の苦手に合わせ指導することで、学習ペースが遅くなってしまうことが懸念されます。学習ペースが遅くなると、目標とする偏差値に届かなかったり、過去問対策が遅れてしまったりすることがあります。また、集団塾に比べて競争心が育ちにくいことや比較的費用が高いことも、個別指導塾のデメリットです。
高校受験塾にいつから通うべきか~まとめ
高校受験塾にいつから通うべきかは、生徒一人ひとりによって異なります。もし、難関校を志望している場合や内申点を高くしたい場合には、早期に塾に通うことを検討しましょう。また、勉強が苦手な生徒も、苦手科目や弱点分野が増える前に、塾で適切な指導を受ける方が望ましいでしょう。
いずれにしても、塾に通うタイミングは、子どもの学力、志望校、部活動や習い事、家庭の経済状況などに左右されますので、長期的な見通しをもって入塾のタイミングを判断することが大切です。
小学校での学習範囲外からも出題される中学受験と違い、中学校で学ぶことしか入試に出ないのが高校受験です。しかし統計を見て分かる通り、なんと8割以上の中学3年生が塾に通っています。
塾なしで中学学習内容の十分な理解ができる子が非常に少ないことが推察されます。いま定期テストや実力テストで十分な点数が取れていないのであれば、通塾または何らかの対策を早めにとるべきだと私は考えます。