enaの公式サイト
出典: enaの公式サイト

ena(小学部)はどんな塾か? 

 ほとんどの中学受験塾がまだまだ都立中高一貫校対策に積極的に乗り出してはいない。その中で、enaは早い時期から都立中高一貫校対策に取り組んできた。

 そのため、都立中高一貫校入試の適性検査対策のノウハウを構築し、また、都立中高一貫校対策では最大規模の模試を主催するなど、情報を持っている。都立中高一貫校に進学したいと思い、塾を探すならばまずenaを検討することになろう。

ena(小学部)の授業の特徴

 適性検査は科目別ではなく、横断型の入試なので、それに合わせて授業も理系・文系に分けている。都立中高一貫校の適性検査では、私立中学の入試のように難解な算数を解ける力や、小学校の教科書の範囲を遙かに超える理科や社会の細かい知識を求めることはない。思考力、判断力、表現力を問われる試験だ。

 そのため、記述や作文の対策が必要になってくる。図形の問題を解くとしても、正解を答えることより「どうやって解いたか」を的確に表現することが求められる。そのため、enaの授業では丸暗記をさせず、生徒に自分で考えることを促していく。今回見学したのは、調布校の6年生の理系授業だ。正方形の面積から一辺の長さを求める問題を扱う時に、「公式を暗記しないで、どうしてこう求めるのかを考えよう」と講師が生徒に問いかけていた。

 小学生は公式を見ればすぐ覚えるが、どうしてそうなるのかまでは考えないで済ませてしまいがちだ。それだと思考力や表現力を求められる試験では通用しない。

 また、講師は「この問題の解き方を家に帰って家族の人に説明できるかな。相手に伝えるためにどうしたらいいか考えてみよう」と生徒に指導していく。家族に「なにをどう学んだか」を説明することが入試対策にもつながっていく。正解を出すだけにとどまらない授業が、第一の特徴だ。

 もうひとつ、enaの授業で特徴的だったのは、生徒が物静かに授業を受けていることだ。enaでは、生徒が勝手に発言をすることはない。

「誰かが発言すれば、他の子の思考が止まってしまうからです」(小学部部長 青木繁和さん)

 つまり、静かに黙って、考えることができる授業である。現在、塾でトレンドになっている「アクティブラーニング」は、生徒たちが積極的に発言をするので、時として騒がしくなり、それが合う生徒はいいが、静かに考えたいと思う生徒には合わないことも多々ある。その真逆にある落ちついた環境で考えることができるのがenaの授業といえよう。

オリジナルテキストを採用

 オリジナルテキスト『パースペクティブ』を使用している。教科書は「理系」「文系」に分かれる。まず、説明が書かれ、その次に例題、発展問題と続いていく。発展問題は実際の入試問題を扱う。学力でクラスは分かれても、同じテキストと同じ問題で取り組んでいく。違いは授業中のヒントの質や量となる。

 テキストには解答欄が設けられているが、繰り返しの学習をするために、そこには直接書き込まず、ノートに解答を書く。ただ、テキストの解答欄は大きさが違う。大きく解答欄が書かれているものもあれば、小さいものもある。

 そのスペースの大きさを見て、生徒はどのぐらいの量を記述すればいいかを推測し、問題を解いていく。演習問題集、作文の問題集などの教材もあり、また、私立校と併願をする生徒のために、理科や社会のテキストが別に用意されている。

 授業で使う教材とは別に『日々の学習』という宿題のワークブックもある。通常の計算のワークブックは同じ種類の計算問題がずらりと並ぶ。たとえば、1ページ目はすべて分数の割り算が10問ほど並ぶといったふうになる。しかし、『日々の学習』の計算のワークブックを開くと、1ページに分数の割り算、単位を使った計算、小数点のかけ算など様々な種類の計算問題が並んでいる。

「同じ種類の計算問題を続けて解いていくと単純作業になってしまいます。そうならずに考えさせることを大切にするため違う種類の計算を解いていくようにしています」(青木さん)

 なお、enaでは本科のすべての授業を動画配信しているが、この『日々の学習』の全解説も動画で配信している。

帰国子女枠対策など、様々な対策講座を設定

 適性入試対策といっても、その生徒たちが必要とする対策はそれぞれ違ってくる。そのため、enaでは、独自の細やかなコースを設置している。小学6年生を対象にした「都立中帰国枠入試対策講座」では、都立立川国際中、都立白鷗高附属中の帰国枠対策をする。面接と作文の指導の他、立川国際中のパーソナルプレゼンテーション対策も行う。

 そして、「小6難関私立中志望者向け 都立中対策土曜特訓」も開催。御三家など私立難関校を第一志望とする生徒が、都立中も受験したいという時にネックになるのが「適性検査Ⅰ」の作文である。作文の書き方を知らないから対応ができない。そこで作文の書き方を短期間に一から学んでいくコースだ。

「富士山合宿場」で勉強に集中

 enaの名物はバラエティに富んだ合宿である。合宿というと夏休みに行うイメージがあるが、enaはそれ以外の時期にも週末に合宿を行う。enaは静岡県駿東郡に「富士山合宿場」を運営し、スマホもテレビもない環境で生徒たちは勉強に集中する。

 たとえば、この春の合宿だけでも、いくつものコースがある。まず、作文強化合宿(小学4年生、小学5年生)。都立中高一貫校入試では作文が課され、問題用紙に書かれた指示通りに文章を作成していくが、小学生がそれを書き上げられるようになるためには、十分なトレーニングが必要だ。

「普段の授業中に生徒が書いたものを預かって添削をすると、再度、生徒が書き直すのが翌週になってしまいます。合宿ならば時間に余裕があるからその場でもう一度書いてもらうことができます」(青木さん)

 小学4年生向けには「実験体験合宿」も開催し、テーマは「かん電池のつなぎ方」だ。理論を学ぶだけではなく、実際に豆電球と電池のキットを使って様々なつなぎ方を試すことで、電気がどう流れるかを目で見て学んでいく。それ以外にも、小学4年生と5年生を対象とした「自然体験合宿」も行う。こちらは富士の大自然を体感する内容。「山梨県立富士湧水の里水族館」に展示される約100種類の淡水魚を見たり、山中湖遊覧船に乗って水の上の移動を経験したりする。

 そして、もちろん小学6年生向けの「小学6年生GW合宿」もあり、重要単元を適性検査型問題で学ぶと銘打ち、特殊算を暗記するのではなく、手を動かす作業を通じて、法則に気づかせ、その法則をいくつもの問題で応用して使っていくことを学ばせる。

穏やかで物腰柔らかい講師が多い

子どもに勉強を教える先生
出典: pixta

 穏やかで物腰柔らかい講師が多い。叱りながら厳しく指導をするのではなく、見守りながら導いていく。知識を詰め込む授業の場合、講師が厳しく無理矢理生徒に暗記させることもあろう。

 しかし、作文を書くことは暗記とは全く違うものだ。暗記は単純作業だが、作文を書くのはクリエイティブな要素が入ってくる。

「作文は生徒本人が『うまく書けるようになりたい』と思って努力していかないとなかなか力がつきません。生徒のモチベーションを上げていくような指導を心がけています」(青木さん)

 理系の授業でも、講師は常に柔らかい口調で語りかけ、問題を解かせる間に、ひとりひとりのノートを見て、時には「いい解答だね」と褒める。決して否定的なことをいわない。この「生徒のモチベーションを上げていく」という指導には女性講師と相性がいいのかもしれない。

 先に書いたように合宿も多く開催しているが、他塾に比べて女性講師が多いから、女子生徒を安心して参加させられる。体調不良などのトラブルが起きても女性の講師が対応をする。

どんな生徒に向いている塾か

 現状、中学受験業界の大規模な塾で、都立中高一貫校受験対策を中心にしているのはenaだけである。そのため、都立中高一貫校を目指すのであれば、まず、enaに問い合わせてみるのがおすすめである。都内だと校舎数も多いから、通いやすい校舎を見つけやすいだろう。どの校舎でも同じ授業が受けられるように心がけているから、安心して自宅の近くの校舎に通える。

 都立中高一貫校入試は、想定外の問題が出ることもあり、その上、1校しか受けられない。そのため、ちゃんと対策をしても残念な結果になる可能性もある。私立中学ならば対策もしやすいし、複数校を受験できるから、どこかに合格はできようが、都立中高一貫校受験はそうもいかない。

 そのため、なにかしらの理由で地元の公立中学に進学したくないから、中学受験を選択するといった場合は、私立中高一貫校を目指した方がいいかもしれない。

 都立中高一貫校の併願校として、適性検査入試を行っている私立中学もあり、enaの生徒もそれらの学校を受験はするが、進学するのは少数派とのことだ。仮に都立中高一貫校受験が残念な結果になったら、公立中学に進学し、高校受験の準備をしていくケースが多いとのことだ。

ena(中学受験クラス)の基本データ

校舎数 177校(小学部・中学部含む)
生徒数 -
本科教室の授業料 小3 ゼロ円
小4 23,100円
小5 34,100円
小6 45,100円
※月額、小5、小6は都立コースの場合
自習室の有無 空き教室にて自習可
質問対応 授業の前後で受付
授業の生徒数 -
専任講師の比率 -
生徒の男女比 -