鎌倉国際文理中学校・高等学校
漆間(うるしま)浩一校長

 2023年に創立80周年を迎えた伝統校。女子校としての歴史に幕を下ろし、26年4月に共学校「鎌倉国際文理中学校・高等学校」として新たなスタートを切った。これまでより入学基準を高めたにもかかわらず、中学の実質倍率は3倍を超え、高校も過去30年間で最多の入学者を迎える船出となった。

 26年度に就任した漆間(うるしま)浩一校長は、共学化による校内の変化をこう語る。「女子校時代の謙虚・感謝・奉仕の精神が根付き、毎朝守衛さんに一礼をする美しい伝統が、新しく入ってきた男子生徒にも自然と受け継がれています。一方で、昼休みに男女が一緒にグラウンドを走り回るなど、これまでにない活気も生まれています」。伝統の良さと新しいエネルギーが融合し、校内は前向きな空気に満ちている。

 同校が教育の大きな柱として掲げるのが「全員の学力を引き上げる」ことだ。それを実現するために、データに基づいた緻密な学習指導を行っている。

 力強く学校改革をけん引してきた、初等・中等教育統括部長の高橋正尚理事は、「外部の学力調査などを活用して短いスパンで分析を繰り返し、生徒一人一人にカルテを作成して、数値をフィードバックしています。成果が出なければ教員の指導方法や教育課程自体もすぐに見直すという、徹底したPDCAサイクルを回しています」と説明する。教員たちは結果を受け止め、授業や補習、個別指導に熱心に取り組む。その成果は近年飛躍している国公立大学への進学実績などにも表れ始めている。

学びを支える
失敗を認める文化

 新しい校名にも託した「文理融合」と「実践的英語」の育成にも力を注ぐ。中高一貫生には、将来の選択肢を増やすため、高2まで文理に分けず幅広く学ばせる。「文系・理系問わず幅広く学ぶことで、人間としての魅力や幅が広がります」(漆間校長)。また、中2の夏までに起こりがちな「英語嫌い」をなくすため、文法よりも会話やオンライン英会話を優先し、シャワーのように英語を浴びせる指導を行っている。「まずは英語から、生徒たちに『やればできる』という自信を身に付けてほしい。その自信は、他教科への前向きな学習姿勢にもつながるはずです」と高橋理事。さらに、外国人留学生と街歩きをする修学旅行など、物おじせずにコミュニケーションを取る「実践的な英語力」の育成にも定評がある。

 これらの学びを支えているのが、開放的な新校舎と、生徒の心に寄り添う「失敗を認める文化」だ。漆間校長は「生きていく上で失敗は付きものです。失敗から自分を振り返り、次の夢に向かってチャレンジできる環境を大切にしています」とほほ笑む。ガラス張りの職員室前には生徒が気軽に質問できるスペースがあり、自習室では、生徒たちが前向きな態度で机に向かっているという。「文理横断・文理融合」の学力と、失敗を恐れないしなやかな心。鎌倉国際文理の新たな歴史は、ここから力強く紡がれていく。

共学化で制服も一新。女子は人気のグリーンリボンなど清楚なデザインを継承し、男子はスタンドカラーを採用。男女共に洗練された装いだ
●問い合わせ先
鎌倉国際文理中学校・高等学校
〒247-8511 神奈川県鎌倉市岩瀬1420
TEL:0467-44-2113
URL:https://www.kamakura-u-j.ed.jp/