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若い人ほど知ってほしい、日本のお金が働かないワケ
【第5回】 2011年5月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
上阪 徹 [ライター]

若い人にツケが回る
なぜ、日本のお金の流れは変わらないのか!

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これまで、日本のお金のいびつな構造の問題点とその歴史的な背景を見てきた。そして、日本にも、お金の流れを変えようという動きはあったことを述べた。その先鞭をつけたマネックスの創業、それに続くオンライン証券の登場によって、日本の金融市場は変わったのだろうか。

日本人は投資に向いていないのか?
実は賢い日本の個人投資家

 マネックスには130万件弱の取引口座がある。オンライン証券全体でも約590万件になる。オンライン証券が誕生していなかったら、もしかしたら増えなかったかもしれない口座数。そう言えるかもしれない。だが、それでも世の中を変えるには至らなかったのか。松本さんは言う。

 「口座をつくっていただいた個人投資家と言われている人たちの投資リテラシー、金融リテラシーは、大幅に上がったと思います。また、僕たちの提供するサービスや商品、ツールや教育的なコンテンツも飛躍的に充実させることができたと思う。この10年間で、日本の株の取引形態は大きく変わったんです。個人の株の売買のゆうに過半は、オンライン証券が扱っているわけです。でも一方で、日本全体で、あるいは個人個人の総体で、金融や投資に対するリテラシーが上がったのかといえば、そうとは言いきれない」

 日本ではさまざまな金融政策が行われているが、残念ながら1400兆円の個人金融資産をダイレクトに動かす政策はほとんどない。政治家は、選挙を恐れているのか、相続税を高額にする、あるいは生前贈与を無税にするなど、塩漬けになったお金を動かすための大胆な施策にはなかなか踏み出せない。

 結局、金融自由化によっても、大きな山は動かなかったのだ。たしかにオンライン証券の登場など、新しい動きで投資家は増えた。だが、〝あるべき姿〟にはほど遠い状況で終わってしまっているということである。

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上阪 徹 [ライター]

1966年、兵庫県生まれ。89年早稲田大学商学部卒。アパレル メーカーのワールド、リクルート・グループなどを経て、95 年よりフリー。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、 雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がけている。インタビュー集に累計40万部を超えるベストセラーとなった『プロ論。』(B-ing編集部編/徳間書店)シリーズ、『外資系トップの仕事力』(ISSコンサルティング編/ダイヤモンド社)シリーズ、『我らクレイジー★エンジニア主義』(Tech総研編/講談社)、著書に『新しい成功のかたち 楽天物語』(講談社)、『600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(角川SSC新書)、『「カタリバ」という授業』(英治出版)、『書いて生きていく プロ文章論』(ミシマ社)、『預けたお金が問題だった。』(ダイヤモンド社)、『文章は「書く前」に8割決まる』(サンマーク出版)などがある。


若い人ほど知ってほしい、日本のお金が働かないワケ

 「貯金が趣味」もいいけれど、若い人は知っているのだろうか?

 1400兆円の個人金融資産の7割以上は、60歳以上の世代が持っているものと類推される。彼らの預貯金は国債の購入という形で国の借金に変わり、公共事業につぎ込まれる。その使われ方は周知のとおりだ。また、日本の将来に向けた新しい産業の創出に使われるわけではない。

 一方で、これから日本に生まれてくる子供は、生まれた瞬間に900兆円の借金を背負うことになる。それは、あまりに不公平ではないだろうか?日本のお金の流れはおかしい。そしてそのツケは、若い人が負わされている。

 マネックス松本大さんに話を聞きながら、日本のお金のいびつな構造をあきらかにし、将来に向けて警鐘を鳴らす。

「若い人ほど知ってほしい、日本のお金が働かないワケ」

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