総予測2023#54Photo by Yoko Akiyoshi

グローバルに拠点を有する建設機械大手のコマツは、地域間で製品・部品を相互供給する「クロスソーシング体制」を強みとしてきた。ところが、米中対立など国・地域間の分断が進んでおり、この体制維持が困難になることが懸念される。特集『総予測2023』の本稿では、コマツの小川啓之社長を直撃。2023年の見通しやクロスソーシングのあり方を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

「週刊ダイヤモンド」2022年12月24日・31日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

機械市況は「良くて22年並み」
円高に戻りつつある為替の影響は?

――ロシア・ウクライナの問題が長期化していますが、2023年はどうなると予測していますか。

 当面は今の状況が続くとみていますが、ロシアで動いているコマツの機械に対するサービスや部品供給は継続します。止めてしまうと、お客さまの機械の安全性が担保できなくなるからです。現時点では、ロシアからの撤退は考えていません。

――その他の地域の需要動向についてはどうでしょうか。

次ページでは、円高に戻りつつある状況下でのグローバル戦略や、コマツが得意とする最適地生産体制(クロスソーシング体制)について聞いている。米中対立など国・地域間の分断が進む中でもこの仕組みは機能するのだろうか。