NTT帝国の奇襲#11Photo:SOPA Images/gettyimages

ダイヤモンド編集部は、世界の通信会社や5G(第5世代移動通信規格)機器メーカーなどの経営力を独自に格付けした。NTTは、米国の巨大IT企業が占める上位陣に食い込むなど健闘した。特集『NTT帝国の奇襲』の#11では、NTT、ソフトバンク、KDDI、NECなど日本勢の実力が浮き彫りになるランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文、竹田孝洋)

NTTは通信会社の中では“横綱”クラス
KDDI、富士通、NECの順位は?

「NTT法廃止」に向けた議論は、NTTを縛り付ける規制を撤廃し、同社を世界的企業に飛躍させようという自民党の意向が強く反映したものだった(詳細は本特集の#3『「NTT法は必要ない!」自民党重鎮・甘利氏が“2025年廃止”にこだわる本音を初激白』参照)。

 NTTは日系の通信関連企業の中で、断トツの研究開発費を誇る。実際に、次世代のITやデジタル化のゲームチェンジャーとなり得る光電融合の技術で世界をリードしようとしている。

 だが、世界に目を向ければNTTのライバルは強大だ。桁違いの利益をたたき出しているGAFAM(米国のグーグル、アップル、フェイスブック〈現メタ・プラットフォームズ〉、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト〈MS〉)は、研究開発にNTTの数倍の資金を投じている。

 世界の通信、5G(第5世代移動通信規格)やデジタル化の覇権を握るのはどの企業なのか――。

 ダイヤモンド編集部では、設備投資や研究開発投資を機動的に実行できる財務力とマネジメント力を備えた企業を将来性の高い企業として評価。世界の通信会社や5G関連企業104社を対象に「有望銘柄ランキング」を作成した。

 作成方法の詳細は次ページの「ランキングの見方」に譲るが、ランキング作成に当たって、特に重要視したのは以下の3種類のデータだ。

●企業の基礎的なデータ:年平均売上高成長率、営業利益率

●事業の拡大意欲を表すデータ:設備投資額、売上高設備投資率

●将来への投資意欲を表すデータ:研究開発費、売上高研究開発費率、フリーキャッシュフロー

 これら七つの指標を用いて、企業の実力値とポテンシャルを総合的に評価した。

 次ページでは、NTT、ソフトバンク、KDDI、富士通、NEC、京セラなどの“真価”を明らかにする「世界の通信会社・5G銘柄ランキング104社」を全公開する。