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「リクルートポイント⇒Pontaポイント」への変更で高還元で電子マネーに強い「リクルートカード」は最強クレジットカードの座を盤石にできるか?IPOで注目を集めた「リクルート」のポイント&クレカ戦略の行方に迫る!

2014年11月7日公開(2025年3月21日更新)
ザイ・オンライン編集部
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10月16日にIPO(新規株式公開)を実施したリクルートの
「ポイント&クレジットカード戦略」の行方を直撃!

 2013年5月末にリクルートホールディングスが新しくクレジットカード事業に乗り出し、従来のカード業界の常識を覆す「1.2%~2%」というポイント還元率の高さで脚光を浴びた「リクルートカード(年会費無料、還元率1.2%)」と「リクルートカードプラス(年会費2000円・税抜、還元率2%)」。

 その登場から約1年後の2014年5月1日、リクルートはさらなる衝撃的な発表を行った。「リクルートカード」「リクルートカードプラス」や、「ポンパレモール」や「じゃらんnet」などの自社サービスで貯まる・使える自社の独自ポイント「リクルートポイント」を、2015年春に日本最大の会員数を誇る共通ポイント「Ponta(ポンタ)ポイント」へと全面的に変更するというのだ。

「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に全面的に変更されるのは2015年春の予定だが、すでに2014年7月末からは「リクルートポイント」と「Pontaポイント」を交換比率1対1で相互交換できるようになっている。

 つまり、これまでは「じゃらんnet」や「ポンパレモール」「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」など、主に自社が運営するサービス内で展開してきた独自ポイント「リクルートポイント」の使い勝手を飛躍的に向上させ、「リクルートカード」「リクルートカードプラス」の還元率の高さを「ローソン」や「ゲオ」「昭和シェル石油」などの「Ponta」提携企業でも活用できるようになったのだ。

 ザイ・オンライン編集部が2013年6月に行った取材では、「『リクルートカード』『リクルートカードプラス』の発行は、自社のポイント制度『リクルートポイント』を活用してもらうための手段」とのことだったが、はたしてリクルートの戦略にどのような変化があったのか。

 「リクルートカード」「リクルートカードプラス」を発行する「リクルートホールディングス」の担当者を再度直撃し、IPO後の株価も好調に推移しているリクルートのポイント事業及びクレジットカード事業の今後の戦略について聞いてみた!

業界トップの還元率を誇る「リクルートカードプラス」は
2014年7月末まではポイントの利便性の面で課題もあった

 まずは改めて、「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」のスペックを簡単におさらいしておこう。

 まず、「リクルートカード」(JCB及び三菱UFJニコスと提携)は、年会費無料で還元率1.2%と、業界トップクラスの還元率を誇る年会費無料カードだ。

 リクルートカード
還元率 1.2%
「リクルートカード」のカードフェイス
発行元 三菱UFJニコス、JCB
国際ブランド VISA、Master、JCB
年会費 無料
家族カード あり(年会費無料)
ポイント付与対象の
電子マネー
モバイルSuica、nanaco、ICOCA(VISA、Masterのみ)、楽天Edy(VISA、Masterのみ)
関連記事 「リクルートカード」の2枚持ちが攻守最強の理由!nanacoや楽天Edyのチャージでも還元率1.2%で、年会費無料、ETCカードも無料とメリット尽くし!
「リクルートカード」の公式サイトはこちら

 そして、「リクルートカードプラス」(JCBと提携)は、年会費2000円(税抜)で還元率2%という、史上最高の還元率を誇るクレジットカード。

リクルートカードプラス
還元率 2.0%
クレジットカードおすすめ!高還元率のリクルートカードプラス
発行元 JCB
国際ブランド JCB
年会費(税抜) 2000円
家族カード あり(年1000円、税抜)
ポイント付与対象の
電子マネー
モバイルSuica、nanaco


 一般的なクレジットカードの還元率は0.5%程度であることを考えると、いずれも破格の還元率の高さであり、文句なしで業界トップクラス。さらに、「Suica」や「nanaco」など電子マネーへのチャージでもポイントが付与されるため、住民税や固定資産税、自動車税などの各種税金のほか、国民健康保険料や国民年金などもセブン-イレブンで支払うことでポイント還元が受けられるというメリットもある(2014年春より「リクルートカード(VISA)」でも「nanaco」へのチャージでもポイント付与が始まっている)。

リクルートカード」と「リクルートカードプラス」を利用して還元されるポイントは一部(※)を除き、「リクルートポイント」だが、従来その使い道はリクルートが運営する「じゃらんnet」や「ポンパレモール」「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」などがメインだった。
(※「ショプリエ」というショッピングアプリを利用すれば、「リクルートポイント」を「大丸松坂屋百貨店」「BEAMS」などで利用できる「商品券(スマホにダウンロードして使う電子ギフト券にも交換ができる)

 もちろん、以前からリクルートが提供するサービスの利用していた人にとっては、還元率1.2~2%でどんどん貯まる「リクルートポイント」を有効に活用して、ホテルに宿泊したり、食事をしたり、ネットショッピングを楽しむことができたが、リクルートが提供するサービスを利用していない人にとっては、「リクルートポイント」の使い道が自社サービスをメインにしていた点や、百貨店などの商品券に交換するには専用アプリが必要だった点をデメリットと判断する人も多かった。

 例えば、年会費無料で還元率1%の「Yahoo! JAPAN JCBカード」の場合は2013年7月、従来の「Yahoo!ポイント」を「Tポイント」に統合して、「オンライン(ネット上)」でも「オフライン(実店舗)」でもポイントが利用できるようになっていた。同様に「楽天カード」の場合も10月1日から「Rポイントカード」の発行を本格的にスタートし、「オンライン(ネット上)」でも「オフライン(実店舗)」でもポイントが利用できる方向に進んでいる。

 それらと比較すると、「リクルートポイント」の主な使い道がリクルートのサービスという点で、高還元率は魅力的でも「リクルートカード」や「リクルートカードプラス」を敬遠していた人もいるだろう。

 しかし、冒頭でもふれたように、2014年7月末から「リクルートポイント」と「Pontaポイント」の相互交換が始まり、2015年春には「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に全面的に変更されることになり、「リクルートカード」や「リクルートカードプラス」の利便性は大きくアップすることになる。

日本最大の共通ポイント「Pontaポイント」との相互交換が始まり、
「リクルートカード」の利便性は大幅にアップ!

 「Ponta」は会員数6171万人(2014年3月末時点)を誇る日本最大の共通ポイントで、コンビニの「ローソン」、スーパーの「ライフ」、ガソリンスタンドの「昭和シェル石油」など、提携企業は80社に及ぶ(2014年9月18日時点)。

 つまり、今回の「リクルートポイント」と「Pontaポイント」の相互交換、来春からの全面的な変更により、「リクルートカード」及び「リクルートカードプラス」で貯まるポイントの使い道はオンラインばかりでなくオフラインまで大幅に広がり、高還元率だけでなく利便性の面でも大幅にアップしたのは間違いない。

 このように、ユーザー目線で考えれば今回のポイント制度の変更は間違いなく「得する話」なのだが、少しばかり疑問も残る。

 というのは、前述したように「『リクルートカード』『リクルートカードプラス』の発行は、自社のポイント制度『リクルートポイント』を活用してもらうための手段」であれば、その高還元率も納得できるのだが、もし「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に交換し、オフラインで使うユーザーが激増したら、カード発行元のリクルートにとってはメリットがないように見えるからだ。

 その疑問を解消すべく、「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」を発行する「リクルートホールディングス」の「リクルートライフスタイル」ECビジネス推進室カードグループマネジャー・狩野真依子さんに、「今後のリクルートのポイント&クレジットカード戦略」について話を聞いた。

発行枚数は目標を大幅に上回って好調に推移。
人気は年会費無料の「リクルートカード」が上だが……

 まずは、大きな反響があった2013年5月末の発行から1年3カ月が経過した現在、「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」の発行状況は、どのような状況なのだろうか?

「リクルートライフスタイル」ECビジネス推進室カードグループマネジャー・狩野真依子さん

 「おかげさまで、発行枚数は当初の目標を大幅に上回り、大変多くの方にご利用いただいています。お客様の男女比は半々で、年齢層もバラバラです。『特に何十代が多い』という偏りもなく、幅広い層からご支持をいただいていると実感しております」(リクルートライフスタイル・狩野真依子さん)

リクルートカード」と「リクルートカードプラス」では、どちらの発行枚数が多いのかを尋ねると、「発行枚数は年会費が無料の『リクルートカード』のほうが多いですね」とのこと。

「やはり、最初は『年会費無料のほうがいい』ということで、『リクルートカード』を申し込まれる方が多いですね。ただ、頻繁にクレジットカードを使われる方なら還元率1.2%の『リクルートカード』を実際に利用するとポイントが貯まりやすいことを実感していただけるようで、最初に申し込んだ『リクルートカード』から『リクルートカードプラス』に移行される方も多くいらっしゃいます」

 これまでザイ・オンラインでは「年間のカード利用額が27万円以上(月平均2万2500円)なら、年会費2000円(税抜)を考慮しても還元率2%の『リクルートカードプラス』のほうが得になる」と何度も書いてきたとおり、実は年会費無料で還元率1.2%の「リクルートカード」と、年会費2000円(税抜、税込は2160円)で還元率2%の「リクルートカードプラス」を比較した場合、その「損益分岐点」は意外と低い。

「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に変更することが決まった今、貯まるポイントの使い道が大幅に増えたことを考えても「リクルートカードプラス」は「メインカード」として利用するのに十分なスペックを備えているので、最初から「リクルートカード」ではなく「リクルートカードプラス」に申し込むのがおすすめだ。

実店舗に強い「Pontaポイント」に変更されることで
オフラインでもオンラインでも使えるポイントに!

 しかし、ここで前述の疑問がよみがえる。そもそも、リクルートがクレジットカード事業に後発で乗り出したのは、「既存の自社発行ポイントである『リクルートポイント』をより一層普及させる」という目的のためだ。
(参考時期⇒楽天カードの強力ライバル出現!還元率2%のリクルートカードプラスはカード業界の革命児か!?~クレジットカード&ポイント事業に本格参入するリクルートの戦略(前編)

「発行枚数は当初の目標を大幅に上回っている」のであれば、すでに「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」は、その当初の目的を達成しているといえるだろう。しかし、「Pontaポイント」とのポイント相互交換が始まっただけでなく、2015年春には「Pontaポイント」に全面的に変更して「リクルートポイント=Pontaポイント」となるということは、当初の「『リクルートポイント』を普及させる(=リクルートのサービスのユーザーを増やす)」という目的から、微妙にズレているようにも見えるのだ。

 というのも、前述したように貯めたポイントを自社サービスで利用してもらう前提であれば、「リクルートカード」の還元率1.2%、「リクルートカードプラス」の還元率2%という高還元も納得できるのだが、還元したポイントを「ローソン」や「ゲオ」「昭和シェル石油」などの「Ponta」提携企業で利用されれば、リクルートとしては「自社サービスの利用を促す」という意味もなくなってしまうように思えるからだ。

「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に変更するというのは、リクルート内部で何らかの方針転換が行われた結果なのだろうか?

 「いえ、特に方針転換をしたわけではありません。弊社としては、当初から『リクルートポイント』を普及させるために、まずユーザーの皆様の利便性を高めるべきだと考えておりました。それには、よく貯まり、使い道も多様なポイントが得られるクレジットカードにする必要があります。ただ、オンラインだけでなくオフラインでもポイントを使えるようにならなければ、本当に利便性が高いとはいえない――という結論に至り、検討を重ねた結果、『リクルートポイント』を元々提携関係にあった『Pontaポイント』に変更することに踏み切った次第です」

「Tポイント」「楽天スーパーポイント」との
「共通ポイント戦国時代」を勝ち抜く準備は整った

「Ponta」の提携企業はローソンやビックカメラ、昭和シェル石油など、全80社に及ぶ

 「Ponta」は「Tポイント」よりも後発の共通ポイント(業種の異なるさまざまな店舗で利用できるポイントサービス)だが、提携企業はコンビニの「ローソン」、スーパーの「ライフ」、アパレルの「AOKI」、家電量販店の「ビックカメラ」、飲食店では「大戸屋」や「ケンタッキー・フライド・チキン」、ガソリンスタンドの「昭和シェル石油」、レンタルDVDの「GEO」など80社にのぼり、会員数では「Tポイント」の4918万人を上回る6171万人規模にまで成長している(「Tポイント」会員数は2014年7月末時点、「Ponta」会員数は2014年3月末時点)。

 しかし、「オンラインだけでなくオフラインでもポイントを使える」という点では、2013年7月に「Yahoo!ポイント」が「Tポイント」と統合し、「楽天」も「楽天スーパーポイント」を街中でも使える共通ポイントにするべく「Rポイントカード」の発行を今年10月から開始しており、「Ponta」は「オンラインへの進出」という点では「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」に後れを取っていた。

 そういう意味では、来春に「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に変更されることで、お互いに多数の会員を抱える両者が「オンラインだけでなくオフラインでも使える」共通ポイントとして、「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」に十分に対抗できる存在になったことは間違いない。それと同様、「リクルートカード」「リクルートカードプラス」は、ライバル的存在の「Yahoo! JAPAN JCBカード」や「楽天カード」と比較しても、スペック的に抜きん出たクレジットカードになったと言える。

 とはいえ、前述のように「リクルートカード」「リクルートカードプラス」で貯めたポイントを「オフライン」に多く流出する可能性はかなり高い。リクルートとしては自社の高還元クレジットカードで貯まったポイントが流出する点について、どのように考えるのだろうか?

「確かに、弊社のオンラインのサービスよりも、オフラインでポイントが使われるシーンのほうが多くなるかもしれません。とはいえ、弊社は『リクルートカード』や『リクルートカードプラス』単体で、利益を出すことを目指しているわけではありません。だからこそ、採算度外視で還元率を高くできているという部分もあります。あくまでも、リクルートポイントを使いやすいポイントに成長させることで、皆様に『もっとポイントを貯めたい』と思っていただけるようにすることが、弊社の目標です。そして、ポイントを貯めた結果、そんなに頻度は高くないかもしれませんが、『こんなにポイントがあるし、旅行にでも行ってみようか』『外食をしてみようか』といった形で『じゃらんnet』なり、『ホットペッパーグルメ』なりをご利用いただく――という流れが増えることを期待しています」

「Ponta」への変更は資本提携も含む本格的なもの。
お互いの強みを最大化できるかどうかがカギ

 実際、今回「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に変更するのは「『Ponta』に『リクルートポイント』が飲み込まれる」という形ではない。

 というのも、リクルートは「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に変更するという発表と同時に、「Ponta」を運営する「ロイヤリティ マーケティング」が実施する第三者割当増資で株を引き受け、「ロイヤリティ マーケティング」の全株式の15%を保有することも発表している。つまり、リクルートは今後、「Ponta」の運営に積極的に参画することになるのだ。

 それを裏付けるように、2015年春に「PontaWEB会員」が新設されることになっているが、その会員IDは「リクルートID」と共通化される予定。つまり、「Ponta」が弱いオンラインでのポイント利用をリクルートが推し進め、「リクルートポイント」が弱いオフラインでのポイント利用を「Ponta」が推し進めるような形で運営されると考えられる。

 このように「オンラインでもオフラインでも使える」ポイントにすることに加えて、還元率が1%で「Tポイント」が貯まる「Yahoo! JAPAN JCBカード」や「楽天スーパーポイント」が貯まる「楽天カード」よりも魅力的な、年会費無料で還元率1.2%の「リクルートカード」と、年会費2000円(税抜)で還元率2%の「リクルートカードプラス」でさらなる新規会員の獲得と既存会員の利用拡大を図る、ということなのだろう。

 念のため、「『リクルートポイント』が『Pontaポイント』に変更されることによって『リクルートカード』『リクルートカードプラス』の還元率が下がる可能性はあるのか?」と確認してみたが、「現状の『リクルートカード』が1.2%、『リクルートカードプラス』が2%という還元率を変える予定はない」とのことだった。

 また、現在「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」では、セブン‐イレブンなどで使える電子マネー「nanaco」へのチャージでもポイントが貯まるので、住民税や固定資産税のほか、国民健康保険や国民年金などの支払いでも間接的にポイントが貯まる点も大きな魅力の一つとなっているが、ローソンを提携企業に持つ「Ponta」と提携することで、「ひょっとすると『nanaco』チャージでのポイント付与がなくなるのでは?」という不安もあった。しかし、こちらも「今のところは継続する予定」とのこと。「リクルートカード」「リクルートカードプラス」はローソンでもセブン-イレブンでも、コンビニに強いクレジットカードとしても“使える”カードになる。

 これらのことを踏まえると、「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に全面的に変更されれば、「『Ponta』の利便性」+「『リクルートカード(プラス)』の高還元率」は、「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」よりもメリットが際立つことになり、今まで以上に「リクルートカード」「リクルートカードプラス」は人気を集めることになるだろう。

「Pontaポイント」に変更することで6000万人超の会員数を背景に
「ライフイベントでのポイント付与」による勢力拡大も見込む

 「Ponta」との提携に向けては、現状、あらゆる部分で細部を詰める段階にあるということで、すべての詳細が明らかになるのはもう少し先となりそうだが、リクルートが運営するサービスを使うたびに「Pontaポイント」が貯まり、「PontaWEB会員」に登録しておくことで「Pontaカード」の情報と紐づき、「Pontaポイント」が使えるようになる――という大筋のところは固まっている。

「一部サービスは交換が必要な状態でスタートするかもしれませんが、基本的にはポイント交換の手間などは不要になる予定です。例えば、『Pontaポイント』が『じゃらんnet』で使えて、『じゃらんnet』で貯まったポイントは、『Ponta』の提携企業の店舗で使えるといった具合です」

 ただ、今のままだとオフラインの決済時にクレジットカードと「Pontaカード」の2枚を提示する必要があり、面倒くさかったり、もたついたりする感は否めない。将来的には「Pontaカード」機能を搭載した新たなクレジットカードの登場にも期待したいところだ。

 そして、ここまで見てきたように、カード業界でトップクラスの還元率を誇る「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」で貯まるポイントが、従来の「リクルートポイント」から「Pontaポイント」になることで、利便性が大幅にアップするのは間違いないのだが、リクルートのポイント戦略として気になるのは「就職・転職(=リクナビ)」「結婚(=ゼクシィ)」「住宅(=SUUMO)」「自動車(=カーセンサー)」など、さまざまな「ライフイベント」において、ポイントが活用できる幅を広げられる可能性を持っている点だ。これは「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」でも真似がしづらい、リクルートだけが持つ強みと言える。

「ポイントの還元率などはもちろん重要ですが、いくら還元率がよくてもサービスに魅力がなければ意味がないので、より使い勝手のよいサービスを提供することを目指しています。具体的には、弊社の中で『ライフイベント』と呼んでいるサービス類――『ゼクシィ』『リクナビNEXT』『SUUMO(スーモ)』など――のIDを共通化して使いやすくしました。そして、各サイトのキャンペーンなどで貯まるポイントも、『リクルートポイント』に集約されるようにしています。例えば、『ゼクシィ』で結婚式場を予約したり、『SUUMO』で資料請求したりするとポイントがたくさん貯まるキャンペーンなども頻繁に行っています。『ライフイベント』で弊社のサービスを利用していただいたとき、ポイントが貯まりやすい構造が完成しつつあります」

 例えば、ホテルで結婚式を挙げるときに、利用限度額を一時的に引き上げることで、クレジットカード払いが可能になることもある。もし、200万円の結婚式代を「リクルートカードプラス」で支払えば、還元されるポイントは4万円分にもなる。また、賃貸住宅の家賃などのクレジットカード決済が浸透していない分野でも、リクルートと「Ponta」の6000万人を超える会員数を背景に、クレジットカード決済が進む可能性もあるだろう。

「今後も、弊社の強みであるライフイベントに絡めて、クレジットカードを活用し、ポイントをお得に貯められる環境づくりを続けていく予定です。皆様の利便性向上を、より一層サポートできればと願っています」

「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に変更されることで、普段の生活での「リクルートカード」「リクルートカードプラス」の利便性がアップするだけでなく、将来的には「ライフイベント」でのポイント獲得も期待できるという意味で、リクルートのポイント&クレジットカード戦略はこれからが本番なのかもしれない。10月16日のIPO(新規株式公開)後も株価が好調に推移しているリクルートの今後の動向と、今後ますます激しくなりそうな「共通ポイント戦国時代」の行方に注目しておきたい。

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還元率、年会費etc.で比較! 人気のおすすめクレジットカード

還元率 年会費
(税込)
ブランド 電子マネー対応
(ポイント付与対象)
カード
フェイス

 ◆三井住友カード(NL)

0.5~7.0% 永年無料 VISA
Master
iD
三井住友カード(NL)のカードフェイス
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】
券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※)する! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円分」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力!
※ 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。カード現物のタッチ決済、iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。
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「三井住友カード(NL)」は、年会費無料&対象コンビニで最大還元率7%のお得なクレジットカード! カード情報を記載していないのでセキュリティも抜群!
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 ◆三菱UFJカード

0.5~5.5%
(※1)
永年無料 VISA
JCB
Master
AMEX
三菱UFJカードのカードフェイス
【三菱UFJカードのおすすめポイント】
通常還元率は0.5%だが、セブン‐イレブンなどのコンビニのほか、オーケー、松屋、ピザハットオンライン、スシロー、くら寿司などでの利用分は還元率5.5%の高還元に!(※1)カード利用で貯まる「グローバルポイントは、スマートフォンアプリ「MUFGカードアプリ」を利用することで「Amazonギフトカード」「Apple Gift Card」「Google Play ギフトカード」などのギフトカードに“即時交換”できるのもメリット! また、2024年8月から年会費が“永年無料”になって、さらにお得なクレジットカードになった。
※1「1ポイント=5円相当」の商品に交換した場合の還元率。還元率5.5%はセブン‐イレブンなどの対象店舗で利用した場合(AMEXブランドのみ一部加盟店が5.5%還元特典の対象外)。各社の利用金額は合算されず、各社単位の1カ月の利用金額合計1000円ごとにポイントを付与。なお、Apple PayはQUICPayでの利用が対象(Apple PayとQUICPayはMastercardまたはVisaのみ利用可能)。
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 ◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード

0.3~1.5%
(※1)
3万9600円 AMEX
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのカードフェイス
【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】
日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールド・ダイニング by 招待日和」や、世界1300カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。
※貯まるポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算。
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還元率 年会費
(税込)
ブランド 電子マネー対応
(ポイント付与対象)
カード
フェイス

 ◆三井住友カード ゴールド(NL)

0.5~7.0%

5500円
(ただし、年100万円以上の
利用で次年度から永年無料
VISA
Master
iD
三井住友カード ゴールド(NL)のカードフェイス
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】
券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード ゴールド(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得!
※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトで要確認。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。カード現物のタッチ決済、iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。
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 ◆JCB CARD W(ダブル)

1.0~10.5%
(※)
永年無料 JCB QUICPay
JCB CARD W(ダブル)公式サイトはこちら
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】
39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、スターバックスでは「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%、「Starbucks eGift」の購入で還元率10.5%に!
※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」に交換した場合の還元率。
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