①コンカー代表取締役社長の三村真宗氏、②東洋ビジネスエンジニアリング ソリューション事業本部プロジェクトマネージャーの池田信裕氏、③PwCコンサルティング ソリューションテクノロジー シニアマネージャーの嵯峨千悦氏、④クニエ ディレクターの室井修一氏

 3つの壁を乗り越える具体策のひとつとして、馬場氏は外部の専用サービスを活用することを提案。「あらゆる調達品のカテゴリーを網羅する専門性や豊富なアウトソーシング実績に裏打ちされた、E2E(エンド・トゥー・エンド)の標準プロセスが実現できるサービスが望ましい」と語り、設備投資を抑えながらそれらをスピーディに実現できて、拡張性も高いSAP Aribaのクラウド型ソリューションを推奨した。

 同フォーラムではこのほか、SAP Aribaのクリストファー・ヘイデン最高戦略責任者が、今後重要市場のひとつである日本でサービスを強化していくことを表明。同社のパートナーである東洋ビジネスエンジニアリング、PwCコンサルティング、SAPグループの経費管理SaaSであるコンカーの担当者による講演や、活発なパネルディスカッションなど盛りだくさんの内容が続き、盛況のうちに幕を閉じた。

イベントを締めくくるパネルディスカッションでは活発な意見がやりとりされた

[ユーザー企業によるセッション]
調達・購買の集約化、標準化は
コンプライアンス強化にも結び付く

 同フォーラムでは、SAP Aribaのソリューションを活用して調達改革を推し進めているユーザー企業の担当者も登壇し、改革の成果を発表した。

富士ゼロックス 顧問の長谷川博史氏

 富士ゼロックス顧問の長谷川博史氏は、2009年に始動した同社の「ノンプロダクション購買改革」を振り返り、「総論賛成、各論反対」に陥りやすい購買改革を日本企業に定着させるには、「トップダウン」の方針展開と現場主導の「ボトムアップ」活動の双方が重要と語った。同社では間接材領域にもCSR調達の考え方を適用し、「購買ルール」・「プロセス」・「組織」の三位一体改革を推し進めているが、その海外展開にあたっては多言語対応可能なクラウドソリューションとして完成度の高いSAP Aribaを選択、可視化された購買実績を基に継続的QCD改善とコンプライアンス強化を図っている。

日本マイクロソフト 管理本部ファイナンス業務執行役員の小林正文氏

 またマイクロソフトは、全世界拠点における調達・購買業務の集約化、標準化、自動化を推進するため、調達ソリューションの「Ariba Sourcing」と企業間調達ネットワーク「Ariba Network」を活用。日本マイクロソフト管理本部ファイナンス 業務執行役員 フィナンシャル・ディレクターの小林正文氏は、「調達・購買の集約化や標準化を推し進めると、コスト面でのスケールメリットがもたらされるだけでなく、コンプライアンス強化にも寄与する」と語った。