テキストマイニングなどのデータ分析に強みを持つプラスアルファ・コンサルティング。ビッグデータの“見える化”で実績を持つ同社は、9月にタレントマネジメントシステム「タレントパレット」をリリースした。社員のマインドやスキル、モチベーションなどの人事ビッグデータを見える化するという新しい切り口で、社員の育成や最適配置などのさまざまな人事戦略を科学的に変革していく。

 従業員の働き方を見直す企業が増えている。そのために、楽しく、生き生き働ける職場環境の整備を進める企業も出てきている。背景には幾つかの動きがありそうだ。

 まず、あらゆる業界における競争の激化がある。顧客との関係強化を推進する上で顧客満足度(CS)向上は必須のテーマ。顧客に満足をもたらすにはまず従業員満足度(ES)を向上させなければいけない。また、人材不足に悩む企業にとっては、離職防止や採用の精度向上が大きな課題になっている。

データ分析技術の強みを
人事の課題解決に生かす

 一方で、新規プロジェクトや変革に取り組む企業も多い。仕事にやりがいを感じていない従業員から、新しいアイデアや工夫が生まれるとは考えにくい。新規事業やイノベーションを成功させる上で、楽しい職場、化学反応を生む職場づくりは重要なポイントだろう。

 こうした考え方から生まれたタレントマネジメントシステムが、プラスアルファ・コンサルティングが提供する「タレントパレット」である。

従来の人事システムにある勤怠管理や人事評価だけでなく、個々人の働き方やモチベーション、スキルなどまでを人事ビッグデータとして集約。これまで培ってきたデータ分析技術を活用して見える化を行っている。
三室克哉
プラスアルファ・コンサルティング
代表取締役社長

「当社は創業10年目で、社員数は100人近くになりました。人数が少ないときは、誰が何をしているのか、何を考えているのかを把握するのは容易でしたが、次第にそれが難しくなってきた。ならば、得意なデータ分析の技術を使えないかと考えました」と語るのは三室克哉社長。プラスアルファ・コンサルティングは、データ分析の専門家集団。技術だけでなく、コンサルティングや営業などのチームが連携して価値創出に取り組んできた。

 同社は顧客の声やソーシャルデータを可視化する「見える化エンジン」、CRM/マーケティングオートメーションをサポートする「カスタマーリングス」などのソリューションを展開。分析技術や分析結果を分かりやすく提示するノウハウは大きな強みだ。その強みを生かして開発されたタレントパレットは、この9月にリリースされた。

鈴村賢治
プラスアルファ・コンサルティング
取締役副社長

 タレントパレットは、従来の人事システムとは異なる特長を持つ。鈴村賢治副社長はこう説明する。

「従来の人事システムの多くは『管理する』という発想から生まれたもの。代表的な機能は勤怠管理や人事評価などです。もちろん、タレントパレットもこうした機能は備えていますが、重視しているのは個々人の働き方やモチベーション、スキルなどの見える化です。人材の見える化により一人一人の成長をサポートし、人材の最適配置などにつなげる。そんなソリューションなのです」