ロングセラー
『絶対内定』シリーズを生み出す

 プレゼンスを運営するジャパンビジネスラボは、日本初のキャリアデザインスクールである「我究館(学生校・社会人校)」の運営母体だ。我究館は1992年、創業者・杉村太郎氏によって設立された。以来、24年間で8200人が卒業し、高い第1志望内定率( 17 年卒実績では学生校で90.7%)を誇っている。この我究館も、他にはない独自のメソッドを持っている。具体的には、就職活動に大切なのは自己分析にあると考え、まず自分自身と徹底的に向き合い、ぶれない“軸”と“夢”を見つける作業を行う。さらに「今の自分に何が足りないか」を発見、徹底したマンツーマンの指導を通して、第1志望の内定に足る人物へと成長する。

 そのメソッドは『絶対内定』シリーズという書籍に結実、就活生のバイブルとして、94年の初版から、シリーズ全体で156万部を超えるロングセラーとなっている。

テクニックではなく
人間的な成長を

我究館は自分自身と徹底的に向き合い、ぶれない「軸」と「夢」を見つけるキャリアデザインスクールだ

 我究館とプレゼンスに共通するのは、テクニックの伝授ではなく、人間的な成長を促している点だ。そこには、“不可能なことはない”という創業者の情熱が根底にある。

 我究館の設立には、創業者が学生時代にNGOでアジア貧困層へのサポートを行った際、「教育の力で人の可能性を広げたい」と感じたことが原動力となっている。そして、プレゼンスのカリキュラムは、自身がハーバード大学ケネディ行政大学院を目指したときに、自らを律することで、「通常では難しい」とされる短期間で語学力を飛躍的に向上させた経験がベースとなっている。

  「我究館もプレゼンスも、受講生の皆さんは仲間となり、実社会でも結び付きの強いネットワークを形成されています」と語る貴子社長。“心を通わせ切瑳琢磨する仲間の尊さ、その力の絶大さを伝えたい。自信と誇りを育むことを通じて、自分と人と社会を愛する、強く優しく高潔な人材を育てたい”という同社の教育理念が具現化されているのだ。

 杉村太郎氏は、志半ばで11年に若くして他界。だが彼が育てた太い幹は、社長に就任した妻・貴子氏と社員たちに受け継がれ、新たな枝葉を伸ばしている。

慶應義塾大学理工学部卒業、米国ハーバード大学ケネ ディ行政大学院修了。住友商事から大手損保会社を経て、1992 年「我究館」2001 年に「プレゼンス」を設立
我究館のOB・OG 会「太郎会」では、第一線で活躍する卒業生が多数参加し、年齢に関係なく互いを磨き合う