生涯福祉の実現に
実効性の高いサービス

 生涯福祉をかかげる企業、労働組合等にとって、儀式サービス制度はそうした理念の具現化の大きな支えとなる。葬儀における費用負担のみならず、精神的な負担も軽減できるメリットは大きい。また、全国統一の基本セットによる明瞭化された料金体系に加え、年間5000件超の施行実績に対する信頼性や安心感も高い。毎年加入団体数を増やしているというのも、うなずけるところだ。

 全国儀式サービスは、加入団体のニーズに即したネットワーク網の充実を図るとともに、基本セットの定期的なメンテナンスを継続している。また、加入者に制度の周知を図るためのツール配布などもサポート。実効性の高い福利厚生施策を実現する。加入者の満足度も大きく、導入を検討する価値は高そうだ。

図2 全国儀式サービスの受託団体数、加盟葬儀社数、葬儀施行件数の推移
表 全国儀式サービスの主な受託団体(制度加入順)

事例:全日産・一般業種労働組合連合会(日産労連)
相互扶助の組合理念に合致
加入者からも好評の声

 日産労連は約400の労働組合で構成されています。労働条件の向上などに取り組む一方、組合員の相互扶助による暮らしの向上にも努めています。そうした暮らしに関する取り組みを統括する専門部署がリック局です。一企業、一組合では提供が難しい生活支援サービスを、スケールメリットを生かして提供しています。現在、従業員やOBなど合わせて約19万人の会員を擁しています。

高倉明
全日産・一般業種労働組合連合会(日産労連)会長

 葬儀については、従来、生活相談の一つとして対応してきました。ところが、葬儀の費用がいくらかかるのかわからない、あるいは、どんな業者に頼んだらいいのか、など会員の不安が相当大きいことがわかってきたのです。会員の力になれるサービスメニューをつくれないかと模索していたところ、儀式サービス制度を知る機会がありました。

 月々わずかな負担で全国にいる会員に均一のサービスを提供できること、そして24時間オープンしている窓口があること、なにより安心して葬儀の施行を任せられることが、儀式サービス制度採用の理由です。導入後、特に、ご両親の葬儀での利用が多くなっています。リック会員にアンケートを取ったところ、「安心して利用できた」「低価格がうれしい」といった声が上がっており、大変好評です。

 長引く不況などで、企業による福利厚生の充実が難しくなっている現在、相互扶助による生活の質の向上は私どもの大きな課題です。そのなかで儀式サービス制度を活用できたことには、大きな意義があると感じています。