駅の騰落率、
上昇ポイントから探す

 中古マンション騰落率は本来、マンション一棟ごとに算出されるが、今調査では駅周辺の複数(3件以上)の中古マンションで算出した騰落率を平均して、「駅の騰落率」を導き出した。さらに2015年と16年の駅騰落率を比較して、「上昇ポイント」を示した。詳しくは「週刊ダイヤモンド」別冊 2016年11月27日号『マンション 戸建て 投資 中古住宅の見極め方&快適リノベーション』をご覧ください。

 毎年ずっと上がり続ける場合もまれにはあるが、普通は不動産の価格は上昇と下降を繰り返し、冷却期、消沈期、回復期、過熱期の4つの局面を順番に巡る。上がったら次は下がり、下がっているところはこれから上がる可能性があるということだ。ただ現実には東日本大震災の影響と東京オリンピック・パラリンピックの開催のために、4つの局面がかなりいびつに動くようになってしまっているが、長い目で見るとこの4つの局面をたどることになる。

 「上昇ポイントがここ1年間で急速に上がっているところは、買いかというとちょっと違う。株と同じで、1年間で大幅に上がった株が優良かどうかというと、過去は優良だったけれど現時点で買うべきかどうか、意見の分かれるところですね。一番いいのは1ポイントとか2ポイントぐらい上がってきたところ。騰落率自体がマイナスでも、この1年間で1ポイントでも上がっていればこれからコンスタントに1ポイントずつ上がり続けることも考えられます」(住宅評論家・櫻井幸雄氏、以下同)

価格上昇前の物件を選びたい、
郊外エリア

 アベノミクスが始まった12年末から都心中心部は4局面(前ページ図)の「回復期」に入った。それがすでに「過熱期」に入っているのが現状だ。この動きは都心からスタートし、次に横浜方面に延び、城西地区を経由し北側から埼玉方面へ「の」の字を描くように動いている。城東、千葉方面はまだ「消沈期」から「回復期」に一部入ろうという状態だ。

 「『の』の字理論でいえば、エリアによって回復期の初めか、過熱期に近づいているかの差はありますが、今、新築の先頭は浦和あたりまできましたね。郊外に関しては新築と中古が連動する構造は変わりません。駅に近いマンションは新築も中古も値上がりしていますが、駅から離れたマンションや戸建ては新築でも価格が上がらないので、駅から離れた中古は価格をだいぶ下げないと買い手がつかないという状況が生まれています」

 郊外に関しては、従来の4局面の理論通りに推移しているので、価格上昇前の物件を選ぶとよいだろう。価格上昇期に値上がりしてしまった物件を買うとその後大きく値を下げる恐れがある。価格上昇期に低めの値付けの物件を選ぶことは、資産価値を維持するためにも大切なことなのである。

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この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2016年11月27日号『マンション 戸建て 投資 中古住宅の見極め方&快適リノベーション』の詳しい内容は こちら からご覧いただけます。

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