親世代とは
違う社会で生きる
子どもたちへ

 そもそも大学入試改革は、変化の激しい社会を生きていく子どもたちに対し、必要な力を育むために実施されるものだ。

 子どもたちが社会に出たころ、世界は今よりもっと小さくなっていることが予想される。市場はグローバル化し、「もはやビジネスの世界に“国境”はない」と言う人もいる。これからは、意思疎通のための語学力はもちろんのこと、他者の立場に立って考える力、自らの考えを発信していく力などが求められるはずだ。また、科学技術の飛躍的な発達に伴い、10年後にはいくつかの職業が消滅する、という指摘もある。そうした社会を生きていくためには、自ら進んで物事に取り組み、解決していく力が不可欠になっていくだろう。

「保護者の方には、目の前の制度に振り回されることなく、“わが子が将来を生きるために必要な力を育んでくれるかどうか”という観点から、学校選びをする眼を持っていただければと思います」

入試のためだけでない
「英語脳」を育てる
教育を実践

IBSには国内最大級の児童洋書図書館「早稲田アカデミー・イングリッシュ・ライブラリー」も

 早稲田アカデミーは、進学塾として難関校受験に確かな実績を残しているほか、語学教育にも力を入れている。その一つの試みが、小学4年修了時までに英検2級(大学入試センター試験レベル)取得を目指す「早稲田アカデミーIBS」だ。12年の開講以来、圧倒的な英検合格実績を誇る英語教室として注目を集めているが、目的は“英検対策”にとどまらず、社会で役に立つ実践的な「英語脳」を育成していくことにある。

「IBSでは、海外大学への進学も視野に入れ、音声を重視した実践的なプログラムを組んでいます。このプログラムは、大学入試改革で問われることになる英語4技能にも対応しています。今後はこのIBSの教育法を、適切な学年やコースに導入していく予定です」

 早稲田アカデミーの教育理念は“本気でやる子を育てる”というものだ。合格という「結果」を求めるだけではなく、自ら目標を設定し、それを成し遂げるために努力する「過程」に価値を見いだす。なぜなら、その「過程」こそが、その後の人生を形成する土台となるからだ。

 あらためて中学受験の意味はどこにあるのか、入吉先生はこう語る。

「中高一貫校のメリットとして、カリキュラムの前倒しなどの教育システムにフォーカスされることがよくありますが、本来それらの教育システムは、子どもたちの持つ力や到達段階に合わせて最適な教育を行うためのものです。偏差値70の子どもは、偏差値70の教育を受けたいのです。中高一貫校を目指すということは、“その子に合った教育を選ぶ”ということなのです。それぞれの子どもたちの能力を伸ばし、可能性を広げるという意味でも、中学受験をするメリットは大きいと考えます」

※4技能……聞く、話す、読む、書く。