変更後のアンケート調査では、受験者の約8割が「難しく感じた」というが、「ふだん仕事で英語の図表などに目を通すことが多いので、むしろ解きやすく感じた」などの声もあった。まさにビジネスシーンで実際に使われる英語力が試される内容になっている。

「伝えたいことを伝える」ことを
評価するTOEIC® S&W

 一方、07年にスタートしたTOEIC® S&Wの受験者も増えている。日本人が苦手といわれる、Speaking(話す)Writing(書く)に特化したテストだが、企業では海外赴任者選抜や海外研修の効果測定として、活用が進んでいるという。

 Speakingに関しては、「伝えたいことを伝える」ことを重視したテストになっている。もともとノンネイティブのためのテストなので、発音がネイティブっぽくなく、完璧な文章になっていなくても、言いたいことをきちんと伝えられることが評価される。

 「もちろん高スコアを取ろうとしたら、ビジネスにおける論理性や場面に応じた言葉の使い分けが求められます。例えば、キャッシュカードがATMに詰まって困っているお客さまに、銀行員の立場で解決策を提示するという問題があります。その場合、まずお詫びをしてから、原因と問題点を説明し、最終的に解決策を提案するという順番で話します。こうした“型”を身につけることは、テスト形式に慣れることはもちろん実際の現場で役立つはずです」

TOEIC® S&Wが優れた評価を得ているのは、TOEIC® S&Wを開発しているETS(Educational Testing Service)の採点システムにもある。1人の解答データは、ETS認定の複数の採点者によって偏りが出ないように採点される。さらに、その採点者の上にスコアリングリーダーがいて、その採点者たちの評価にバラツキがないかチェックする。こうした徹底された採点システムが、TOEIC® S&Wのスコアリングの信頼性を担保しているのである。