設計事務所・計画コンサルタントをルーツに持つ、業界内でも異色のマンション管理会社、合人社計画研究所(以下、合人社)。ディベロッパーを親会社に持たない独立系として市場競争を勝ち抜き、全国有数のマンション管理会社へと躍進した。高品質で低価格なサービスが多くの管理組合に評価され、管理戸数を伸ばし続けている。

 新築マンションの購入時には、管理会社もセットで指定されているが、そのほとんどはディベロッパー系管理会社だ。そして管理組合はその管理会社との契約を半永久的に続けていくケースが多い。こうした状況に警鐘を鳴らすのが、独立系のマンション管理会社、合人社計画研究所の福井滋代表取締役所長だ。

福井 滋 代表取締役所長


「マンションの資産価値を維持するのに大切なのは大規模修繕です。将来の修繕積立金が不足しないよう、日々の管理費を節約する必要があります。しかし、ディベロッパー系管理会社の管理委託費は総じて割高です。当社にお任せいただければ、サービスの質を高めながら管理委託費を抑えることができます」

 実際、合人社に管理会社を切り替えたマンションでは、最近1年間の平均で管理委託費が約27%下がったという。
 

徹底したコスト削減策や
独自のルーツが強み

 低価格の理由はいくつかある。まず独立系であるがゆえに、厳しい市場競争にさらされてきたこと。ニーズに合致したサービスを提供しなければ、顧客を獲得できない。合人社は低価格という最も大きなニーズに応え、管理受託戸数を増やし続けてきた。現在の管理受託戸数はグループで16万戸を超える。管理戸数の多さはスケールメリットとしてコスト削減につながり、価格にも反映される。

 コストに対する意識もシビアだ。大手管理会社のほとんどが東京に本社を置くなか、合人社は広島に本社を置き、事務所賃料など各種経費の圧縮を図っている。情報システムにも積極的に投資し、会計業務などの事務処理を徹底して自動化することで、間接費削減を実現している。こうした積み重ねが低価格化につながっているのだ。

 安いだけでなく、独自かつ高品質なサービスも強み。たとえば総会・理事会の運営サポートや管理組合の課題に対する提案、緊急対応などを充実させるため、フロントマン一人当たりが担当する管理組合数を少なく抑えている。