新たな消費行動に
トライする“消費の冒険”

 アメリカン・エキスプレスでは、このような、消費や働き方に対する意識が高く日々の生活を充実させることに積極的な人たちを、「ネオ・ポテンシャリスト」と名付けている。同社では、その代表格である20代~40代のビジネスパーソン1000人を対象とした消費実態調査を行い、調査の結果から“三つの消費トレンド”を明らかにした。

 一つ目は「パーソナル」。ネオ・ポテンシャリストは自分の考えやこだわりを持ち、大事なものが明確で、質のよいものを見極めて購入する。「お金を出すのが惜しくない分野がある」のも特徴だ。二つ目は「ソーシャル」。モノよりも外食や交際費など、コミュニケーションを重視する消費傾向があり、家族旅行など家族との時間への投資も怠らない。三つ目は「デジタル」。全員がオンラインショッパーで、使うお金も実店舗とオンライン半々のハイブリッド派。デジタルを駆使して食品・飲料など日用品を購入するのは当たり前で、移動中にスマホで買い物をする人も多い。

 ネオ・ポテンシャリストは、世代や年齢を限定しない。確率的には若い世代が多いが、50~60代の経営者層でも、デジタルを駆使して、こだわりの消費を楽しむ人は多い。清原社長自身も、実はネオ・ポテンシャリストの一人であると明かす。

「昔から所有欲があまりなく、車も腕時計も持っていません。ただし“消費における冒険”は大好きで、例えば先日、とても高価なイタリア製のエスプレッソマシンを購入してしまいました。友人の家にあり、入れてくれたエスプレッソがとても美味しかったので、早速帰りのタクシーの中でモバイルを使って注文したのです。妻に言わせると“無駄遣い”なのですが、それが私の人生の豊かさにつながるのです」

 今後、日本は本格的な少子高齢化の時代に突入していく。人口増に合わせて消費を伸ばすという構図は、もはや成り立たない。ではどうすれば消費が伸びるのか。清原社長は、「価値観の多様化を背景に、一人一人が、新たな消費行動にトライする“消費の冒険”を行うことが、消費を伸長させる原動力になる」と言う。

 それは日常的な小さな冒険で構わない。例えば、自分では絶対に買わないネクタイやシャツを他人に選んでもらう。働き始めた若者が、ミシュランの1つ星レストランに行ってみる。逆に大企業の重役が、ファーストフードの味を再発見する、などなど。

 言ってみれば、モノよりもコト。消費の“体験”に力点が置かれた行動である。

「ネオ・ポテンシャリストの消費行動は確実に増えていて、彼らが起爆剤となって波及効果を及ぼせば、社会全体のポテンシャルも上がります。“消費の冒険”によって消費が増加する素地は十分にあり、それが成熟した社会の行き着く姿なのではと思います」

 そしてその消費行動を支えるのが、アメリカン・エキスプレスのカードなのだ。