事業保険を通して
約99%を占める中小企業の課題を解決

──日本での営業開始以来、中小企業に特化した事業保険を展開しています。その理由と狙いを教えてください。

オランダのハーグにあるNNグループ本社に設けられた“The Bridge”は、イノベーティブな発想、交流を促すためのスペースだ

バパット まず私たちは、日本の中小企業は日本経済の屋台骨(バックボーン)であると確信しています。日本の中小企業は、さまざまな技術や専門性を持ち、大企業の事業を支えているほか、地域の経済的な発展にも大きな役割を果たしています。100年企業といわれる老舗企業も多く、最近ではニッチな市場でグローバルに展開している企業も数多くあります。まさに日本経済の活性化の原動力になっており、数字の上で見ても、日本企業の約99%が中小企業であり、雇用人口の約3分の2を占めています。

 当社のミッションは、そうした中小企業の財務や財産の課題やニーズを把握して、しかるべき保険を通して金融的なソリューションを提供すること。私たちは微力ながら日本経済のお役に立ちたいと思い、“中小企業のサポーター”としての役割を果たしたいと考えているのです。

──実際に、中小企業の事業保険に対するニーズは高いのですか?

バパット 非常に高いと思います。中小企業には、事業保障や事業承継、退職の準備や従業員の福利厚生など、さまざまな資金準備の課題がありますが、その中でも現在一番の課題といえるのが事業承継です。今、中小企業経営者の高齢化が進んでいます。また、後継者不足を含めて、次世代への事業承継が切実な課題となっているのです。

 実際に、中小企業経営者の多くは保険に加入していますが、経営者の高齢化に対応できていなかったり、後継者に事業を引き継ぐために必要な資金を満たしていなかったりするケースが多いのです。当社では、不測の事態で後継者が事業を引き継ぐことになったとき、必要な資金をすぐに用意できる保障、いわゆる事業継続の保障に役立つ商品などをそろえ、中小企業が抱える資金準備の課題解決に取り組んでいます。