その原因は、急速に進む高齢化問題だ。若い人口層が厚いと思われる中国だが、実はすでに1999年に高齢化社会に突入し、60歳以上の人口が総人口の10%を占めるにいたった。

 民政部の統計では、2008年の時点で全国の60歳以上の高齢者人口は1.69億人、総人口の12.79%になったという。現在、青海、新疆、チベットを除けば、その他の地域はすべて高齢者社会に突入している。そのため、2009年から中国では高齢化対策のための戦略研究が正式にスタートした。

 国連の予測では、1990~2020年の世界の高齢化速度は平均2.5%だが、同時期の中国での高齢化速度は3.3%である。世界の高齢者人口が総人口に占める割合は1995年の6.6%から2020年には9.3%に上昇し、同時期の中国では6.1%から11.5%に上昇すると見られる。

 高齢化速度も高齢者の割合も世界の水準を超えており、2020年までに、全世界の高齢者のうち4人に1人が中国人になるとされる。先進国の高齢化は数十年から百年あまりをかけて形成されたものだが、中国はわずか18年(1981-1999年)で高齢化社会となってしまった。その高齢化のスピードはやはり速い。

 スピードだけの問題ではなく、欧米の先進国と比べ、中国は一人当たりGDPがまだ低い水準の時点でその高齢化を迎え始めた。スウェーデン、日本、イギリス、ドイツ、フランスなどの発展国が高齢化社会となったとき、人口一人あたりのGDPはすでに1万~3万ドルに達していた。経済規模が世界2位になった今の中国でもその人口一人あたりのGDPはまだ4000ドルほどの水準にある。だから、中国の高齢化は“未富先老(豊かにならぬうちに高齢化社会となる)”の特徴を呈している。高齢化の加速は経済や社会にとって大きな圧力になると思われる。

 現在、中国では高齢者人口が毎年800万ずつ増加しており、専門家の予測では2050年までに高齢者が人口の3分の1に達するだろうと言われている。特に80歳以上の高齢者と要介護高齢者が年間100万人ずつのペースで増加していることで、高齢者の生活の世話、健康管理、医療などといったニーズが増え、高齢者問題が厳しくなりつつある。

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中国でもシルバービジネスは民間の出番

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