統計によれば、2008年末の中国の各種高齢者福祉施設は37623カ所あり、ベッド数245万床と、60歳以上の高齢者人口のわずかに1.5%であり、先進国の5~7%より低いばかりでなく、発展途上国の2~3%の水準よりも低い。
介護スタッフへの教育も立ち遅れており、現在のスタッフの質は介護事業発展のためのニーズをとても満たすことができない。専門的な介護やケアを必要とする高齢者と介護スタッフの割合を3対1で計算すれば、中国全土で少なくとも1000万人の介護スタッフが要るといわれる。だが現状では、全国の老人福祉施設の従業員は22万人、介護資格を持つ者も2万人あまりにすぎず、市場の需要にははるかに及ばない。
一方、中国政府もこうした施設建設から人員育成まですべて進められるだけの財源をもっていない。急速に進む高齢化社会の需要に対して、公共介護福祉施設を増設すると同時に、これまでと違う新しい方法で対応していく。そこで考案されたのが、コミュニティの優位性を活かした家庭介護と社会介護の連携、「居家養老」と呼ばれる在宅養老・介護環境の整備だ。
特に、コミュニティ内に高齢者サービス拠点を確立して、高齢者が買いもの、清掃、付き添い、看護、緊急救護などといった各種サービスを利用しやすいようにする。また、生涯学習、娯楽・スポーツ、レクリエーションなどといった高齢者の社会活動のニーズに応えたコミュニティ内の高齢者サービスも作り上げようと考えている。
コミュニティと家庭の力を活用する養老・介護体系を支えるため、より多くの企業にこの分野に参入してもらおうと税制上の優遇措置を考えたり、補助金を出すなどしている。こうした政府側の政策傾斜を見て、シルバービジネスに関心をもつ企業や経営者が増えてきたのである。



