「Diversity for Growth」をスローガンに、女性活躍を推進する損害保険ジャパン日本興亜。働き方を変革する「ワークスタイルイノベーション」の推進や地域と連携した女性活躍を推進しており、女性管理職比率も着実に向上している。「女性が輝く先進企業表彰」の内閣総理大臣表彰を受賞した。

 2003年に、国内の大手金融機関として初めて「女性活躍推進専門部署」を設置した損害保険ジャパン日本興亜。同社では、ダイバーシティをグループの成長に欠かせない重要な経営戦略と位置付け、女性活躍推進に積極的に取り組んでいる。

 かなり早い時期から始動している理由として、西澤敬二社長は「女性社員が多い当社において、女性が働きやすい環境を整えることの重要性を、経営陣がいち早く認識したから」だと話す。16年3月末時点で、社員2万6,380人のうち、女性は1万4,345人で約54%に達しており、かつ地方で働く社員が多いのが特徴だ。

※正社員以外を含めた従業員数

 

損害保険ジャパン日本興亜
西澤敬二 取締役社長

 同社の女性活躍推進で特筆すべきは、かなり具体的に「働きやすさ」の実現に向けて制度を構築し、「働きがい」を高めるための機会を提供している点にある。

 例えば女性管理職比率向上のために、女性育成のための階層別研修を実施。キャリアアップ研修、プレ女性経営塾、女性経営塾など、各階層向けの女性育成プログラムを展開することで、女性管理職のパイプラインを形成している。また女性管理職の育成策として「メンター制度」を導入し、在京役員全員がメンターの役割を担っている。

 登用時期を明確にした計画的な育成が実施された結果、12年度に3.9%だった女性管理職比率は、15年度末には12.3%(240人)に向上。20年度末までに30%を目指し、さらに取り組みを加速している。