移住するならどこがいい?
茨城県を5つのエリアに分けて紹介!

 それでは茨城県を5つのエリアに分け、その特徴をおおまかにご紹介していこう。「自然があふれているのは?」「田舎暮らしをはじめるなら?」「伝統工芸を学びたいなら?」……それぞれの地域の魅力を駆け足でみていこう。

県北(けんぽく)エリア
日立市中心に山間部の農業も盛ん

 日本の工業発展の礎を築いた日立市を中心とした沿岸部と、八溝山系山脈の頂きに包まれる山間部に分けられる県北エリア。沿岸部は文化的にも非常に優れた地域で、北茨城市は日本美術黎明期を支えた岡倉天心が興した日本美術院が移された場所であるとともに、日立市にはユネスコ有形・無形文化遺産に登録された「日立風流物」がある。

侵食された岩肌と、太平洋の海原が織りなす風光明媚な北茨城市の五浦海岸。日本美術界の指導者、美術運動家として近代日本美術の発展に尽くした岡倉天心は、この五浦の地をこよなく愛し、晩年、思索と静養の場として長く過ごした。

 沿岸部は漁業も盛んで、この地域で獲れるアンコウやシラスは全国的にも非常に美味しいと高い評価を得ている。

 また、山間部は美味しさ日本一に何度も選ばれるコシヒカリや、上質な常陸秋そばの生産地としても有名。非常に農業も盛んな地域のため就農にはうってつけ。また、深緑の季節や秋の紅葉など、美しい自然を求めて訪れる人も多くアウトドアや温泉も楽しめる。

県央(けんおう)エリア
水戸市中心に芸術や美術関連施設が充実

 県都水戸市を中心とした県央エリア。高速道路、鉄道、茨城空港をはじめとした交通網も充実しているのが特徴。水戸藩藩主徳川光圀公や徳川斉昭公の頃から代々受け継がれてきた歴史も魅力的。

美しい森と千波湖を一望できる高台に位置する偕楽園(水戸市)は、金沢の兼六園、岡山の後楽園と並ぶ日本三名園のひとつ。水戸藩第9代藩主徳川斉昭が1842年に造園したもので、約13ヘクタールの広い敷地に約3000本・100種類の梅があり、2月~3月には梅、初夏にはツツジ、秋にはハギの花が咲く。

 また、県立近代美術館を筆頭に、水戸芸術館、陶芸美術館など多くの文化・芸術施設が所在している。特にやきもの産地として有名な笠間は新人作家にとって聖地のような存在。笠間陶芸大学校が開校するなど、その支援も充実している。ひたちなか市にはネモフィラやコキアの季節、日本4大ロック・フェスティバルのひとつであるROCK IN JAPAN FESTIVALに多くの人が訪れる国営ひたち海浜公園がある。大洗町は全日本サーフィンやビルフィッシュトーナメントが開催される、マリンスポーツが盛んな場所としても有名。ラムサール条約に登録された涸沼も有している。

県南(けんなん)エリア
先進的科学都市つくばをはじめ教育、医療に傾注

 都会的な研究学園都市と筑波山などの雄大な自然を併せ持つ、つくば市を中心とした県南エリア。日本最高峰の「知」が集結するつくば市は教育に対する関心が高く、すべての公立小中学校で小中一貫教育が行われている。つくばエクスプレスの開通とともに、その沿線は都内への通勤も快適になりベッドタウンとしても人気。守谷市は都内から僅か32分ほどの距離に位置し、最も住みやすい街として選ばれるなど、つくばエリアの魅力的なライフスタイルは「つくばスタイル」として注目を集めている。

筑波研究学園都市(つくば市)は、昭和38年に国家プロジェクトとして開発が開始された。現在、筑波研究学園都市は、産業技術総合研究所や筑波宇宙センター、筑波大学などの32の研究・教育機関をはじめ、多くの民間研究所などが立地し、2万人を超える研究者を擁する我が国最大の研究開発拠点となっている。

 また、土浦市は水陸交通の拠点として栄え、城下町の歴史ある街。県南エリアは平地が非常に多く、古くから稲作が盛ん。そんな平坦な地域特性と都内からのアクセスの良さから、日本に2カ所しかないJRAのトレーニングセンターもある。

県西(けんせい)エリア
結城紬など伝統工芸が活況

 広大な平野部に北関東自動車道の開通や、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開通で、ますます企業立地が進んでいる県西エリア。日野自動車をはじめとした大企業の移転もあり、大きな雇用も期待できる地域だ。

真岡鉄道(筑西市)は日本で最初のローカル線として明治45年に誕生。毎週土曜日と日曜日、祝日と1年を通じて1日1往復、茨城県下館駅と栃木県茂木駅間を運行している(夏休み期間は金曜日も運行)。

 そして、近代的な工業だけでなく、伝統工芸もしっかりと発展してきたのが県西エリアの特徴。特にユネスコの無形文化遺産にも登録された『結城紬』は、後継者育成のために茨城県工業技術センター繊維工業指導所にて11カ月に渡る後継者育成プログラムを実施しており、他にも有名酒造や桐下駄、真壁石加工なども後継者を育成している。さらに、重要伝統的建造物群保存地区に選定された桜川市真壁地区の歴史的街並みや、鬼怒川・小貝川の水辺空間、多くの平地林など、多様な資源を活かした魅力的な環境が揃っている。

鹿行(ろっこう)エリア
鹿島市、釣りも盛んな霞ヶ浦もある沿岸部

 茨城県南東部に位置する鹿行(ろっこう)エリアは太平洋に面し、琵琶湖に次ぐ面積を誇る霞ヶ浦にも隣接する水資源に恵まれた地域。全国的に見ても非常に格式の高い鹿島神宮のある鹿嶋市をはじめ、工業都市の神栖市、メロンの生産日本一の鉾田市、水郷の潮来市、肥沃な行方台地で豊かな収量を誇る農業のまち・行方市で構成されている。

鹿島灘の砂丘に掘込式港湾として開発が進められた鹿島港(神栖市)は、鹿島臨海工業地帯の中心に位置し、取扱貨物量が5000万トンを越える物流拠点。高さ52メートルの展望台が設けられた港公園なども整備され、ライトアップされた幻想的な工場地帯の夜景も楽しめるスポットとして注目を集めている。

 鹿島アントラーズのホームタウンということもあり、サッカーを中心にスポーツが盛んで、サーフィンなどのマリンスポーツも楽しむことができる。また、県の魚であるヒラメの最上の漁場としても知られ、全国から太公望たちが集結。霞ヶ浦ではバス釣りも非常に盛ん。加えて、東関東自動車道で成田空港はもちろん都内へのアクセスも快適。農業・工業・観光業など多彩な職場にも恵まれたエリアだ。

(写真・図版提供/茨城県)

*本記事はhttp://iju-ibaraki.jp/profile/lifestyle.html、http://iju-ibaraki.jp/profile/area.htmlを茨城県の許可を得て再編集したものです。

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