実践にひも付いた
英語力が問われる

 もう一つの調査結果を見てみよう(図表2参照)。それによると、英語経験ありの場合は、40代で60%が年収700万円以上なのに対し、英語経験なしの場合は28.4%にとどまっている。また50代では、英語経験ありの場合は32.8%が年収1000万円以上なのに対し、英語経験なしの場合は7.3%にとどまる。“英語経験”というスキルが、収入に重要な要因の一つになっている。

30代でも年収700万円以上の割合に、英語経験あるなしで大きな差が出ている

 ただし、企業が即戦力の人材として求めるのは、あくまでも実践的な語学力だ。

 「業務内容にもよりますが、企業が評価するのは、プレゼンテーション力や交渉力を含めた実践的な語学力です。特に社外での交渉や、海外での実務経験が重視されます」と宮本マネージャーは指摘する。つまりあくまでも実践にひも付いた、骨太の英語力が問われるのである。

実務経験のない若い世代は
語学力で可能性を評価される

 ビジネススキルに関するアンケート(図表3)では、語学力をビジネススキルとして身に付いていると感じている人が11.2%に対して、身に付けたいと感じている人は43.5%という結果が出ている。つまり、理想と現実のギャップが最も著しい項目であり、今ビジネスパーソンにとって語学力の習得が切実なものになっているのが分かる。

語学力は身に付けたいスキルとして、プレゼンテーション力、交渉力に次いで第3位
出所:[図1、2、3]パソナキャリア

 「実務経験が少ない若い世代は、語学力で可能性を評価される傾向があります。また、ビジネスレベルではなくても英語力があることで、業務の幅や、新しい仕事の選択肢のチャンスが広がります。今は、昇格や海外赴任の要件としてTOEIC®などの指標を課す企業が増えており、つまりはどの世代でも語学力が大きな武器になる、ということがいえます」

 グローバル化が進展する中でビジネス経験に裏打ちされた語学力はまさしく高く評価される、そのような時代に突入しているのだ。