買い主が気付かない視点から
適切な物件を提案してもらう

 一方、買い主にとっては、どのような不動産会社が信頼できるのだろうか。中古物件の場合、現在ではインターネットの検索サイトで物件を探し、その物件情報を掲載している不動産会社に問い合わせるケースが増えている。同じ物件情報が複数の業者から出されているときは、幾つかの選択肢がある。「大手の業者」「物件近くに所在する業者」「売り主から直接依頼を受けている業者」そして取りあえず「全ての業者に問い合わせる」という選択肢などだ。

 平野氏は、少々回り道になるが「全ての業者に問い合わせる」選択が良いという。大手だからといって必ずしも“良い仲介業者”であるとは限らず、近くに所在する業者は物件情報が限られる場合があり、売り主側に付いている業者は売り主側の利益を優先する、ということが考えられるからだ。

 「最終的には、買い主の希望をきちんと聞いて整理してくれる業者をお薦めします。単純に、この路線でこの価格で駅から徒歩何分、という条件の物件を探すのは誰にでもできます。例えば、買い主の希望はマンションだが実は一戸建てがふさわしい、路線は違うが目的地までは逆に近い路線がいいのでは?など、買い主も気付いていないニーズを掘り起こし、専門的な視点からより適切な物件を提案できるのが、良い仲介業者の条件なのです」

 また、同じ不動産会社の中でも、営業担当者によって仕事への取り組みや接し方が大きく違うことがある。長く付き合っていく担当者であれば、自分との相性も重要になる。

 優秀な営業担当者は、まずは身だしなみがきちんとして、言葉遣いが丁寧であることが基本、さらに幾つかのチェックポイントがある(右表参照)。

 「営業担当者との信頼関係は、一方的に成り立つものではありません。あなた自身が営業担当者から信頼されることも大切です。営業担当者から“このお客さまのために一生懸命頑張ろう”と思わせる態度を心掛けることも、売買を成功させる秘訣なのです」